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『せっかく来てくれたライト層にこんな試合を見せていいのか』浦和vsC大阪【レッズ川柳試合レビュー】

浦議浦和レッズサポーター(さいたま市)

■準決勝はスタジアムの雰囲気も違う

だいぶ秋めいてきた。少なくとも外を出歩くのにTシャツ一枚とはいかなくなった。自転車に乗っていると、道沿いに咲くヒガンバナをよく見かける。まだ日が出ているうちの試合開始というのはいいね。そういう、季節の風景を目に出来る。一昨日の彼岸の中日はオヤジの墓参りに行って来たばかりだったので、なんか、あの花を見るとオヤジに見守られている気がしてくる。

ヒガンバナ
ヒガンバナ

埼スタに  行って来いよと  ヒガンバナ

埼スタに到着したのは16時30分くらい。さっそくMDPを買おうとしたら、もう売り切れだといわれる。ここのところ、ちょっと遅くなると、もうソールドアウトになってる。何年も前はそういうことはなかったんだが。やっぱり刷り部数、絞ってるのかな。

ベビーカーの置き場は満員になるくらいに置かれていて、見回してみても、小さい子供の数が多い。そればかりでなく、コンコース歩いてみても、若い層と女性がけっこう目につく。平日のリーグ戦とは、いささか趣が違う。明らかに、そんなに今までレッズ戦を見ていなかった「ライト層」の観客が多いのだ。やはりトーナメントの準決勝。ここで来たお客さんを喜ばせるいい試合を見せなきゃ。

いつもの南側自由席なのに、試合開始までのまわりの気合も、リーグ戦を上回るくらいにアツかった。フラッグの数も多かったし、北側の応援に合わせる声や拍手も大きかった。ボルテージでいったら、少なくともACLの準々決勝あたりよりも、明らかに高かった。

試合開始前の南側
試合開始前の南側

さすがに3万人は難しいとしても、まずルヴァンカップとしたら、よく集まってる。何より、アウエーのセレッソサポが、この前のリーグ戦とは比較にならないくらい増えている。

準決勝  セレッソサポも  力こぶ

選手入場の時の北側
選手入場の時の北側

■思い出したくもない試合展開に・・・

さて、試合開始。前の試合でも感じたのだが、レッズの攻撃陣は、セレッソを相手にすると、あっさり攻めをはね返されてしまうというのか、どう攻めたらいいか迷っているうちにボールを取られてしまうというのか、今シーズン前半の、ゴール前に来てもパスを回すだけで決定的な仕事ができない状態に戻ってしまう。せっかく先発で入っている松尾や大久保のドリブルも効かない。合い口が悪いのかね。

南側ゴールに向かってきても、なかなかチャンスにならないのでイラついていると、20分過ぎに、北側であっさり失点。誰に決められたのかよくわからなかったが、オウンゴールだったんだな。

まあこれから、目も当てられないくらいに、レッズ守備陣のバランスが崩れていく。

つまずきの  オウンゴールが  発火点

正直、そのあとの試合展開はあんまり思い出したくないくらい。

あっさり2点目を献上して、そうか、これで、レッズが3点を入れないと決勝進出はないのか、こりゃ、後半は一気に選手も替えて攻撃的布陣で来るだろう、と予想していたのに、後半、替わって入ったのは馬渡だけ。せっかくユンカーも江坂も残っているのに、なんで入れないんだ、と不思議に思ったところで、馬渡が惜しいシュート。よし、、まだ諦めるのは早い、とやや気持ちをもちなおしたところで、南側ゴールで、あっさりセレッソ3点目。フリーでヘディング決められて、レッズDFはエアポケット状態。

ようやく70分くらいになってユンカーや江坂も入ってチャンスも作るものの、シュートしても、ボールはゴールに行く前に、相手DFに跳ね返されてしまう。高校生とプロの試合みたいになってる。こんなに実力差があるはずないのに。

それで、あっさりレッズDFが抜かれて4点目だ。

パスシュート  跳ね返されて  4点目

ひょっとして、レッズの選手たちは、もうあまりルヴァンカップ決勝に進出したくなかったんじゃないの?なんて疑いたくなるような一戦だ。死力を尽くしたACLで疲れちゃったし、ここらで一休みしたい、とか。まさかそんなことはないにしても、せっかく来てくれた「ライト層」に、こんな試合を見せちゃいけない。

勝利が決まった時のセレッソサポ
勝利が決まった時のセレッソサポ

後味のすこぶる悪い試合。終了後の挨拶で、選手たちがブーイングで迎えられたのも仕方ないところだ。

これで少なくとも今年は、レッズはタイトルなしが決まった。さすがに帰りは夜なのでヒガンバナの姿はよく見えなかったものの、彼らもガックリしていることだろう。

ボロ負けで  帰って来たかと  ヒガンバナ

山中伊知郎

1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。去年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2021』(飯塚書店)が好評発売中。代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、9月6日、お笑い系プロダクション「浅井企画」の元専務・川岸咨鴻氏の半生を追った『川岸咨鴻伝  コサキンを「3億年許さん」と叱責した男』をリリース。11月上旬には『タブレット純のローヤルレコード聖地純礼』も発売予定。また、今年末には『浦和レッズ川柳2022』も出す予定。

浦和レッズサポーター(さいたま市)

浦和レッズに関する情報をまとめたり、議論したりする『浦議』を1998年から運営しています。最近はYou Tube「浦議チャンネル」もやっています。浦議チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCAFN4-ne2gUkEl6xddW71hA

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