ほくほく和栗にしっとりあんこ「八丁堀伊勢屋」さん自慢のこし餡がたっぷりのお饅頭を秋限定仕様で
練り切りなどの上生菓子が並び、背筋を伸ばして暖簾をくぐるような和菓子屋さんは非常に魅力的です。ですが、ふらりとなんとなく暖簾をくぐり、ごめんくださいとその日のちょっとしたおやつや昼食を購入するような街の和菓子屋さんもその良さがあります。
関東を代表する大型ターミナル駅、東京駅からJR京葉線でひと駅。オフィス街と昔ながらの商店街、そして赤提灯が入り混じる街、八丁堀にて人気の「八丁堀伊勢屋」さん。1907年創業という老舗ながらも、地域の方々がお弁当やおやつを求めて後を絶たないアットホームな和菓子屋さんです。
雑誌にも掲載されるほど名高い豆大福だけではなく、こし餡、粒餡共に美味しいと評判のあんこを使用した和菓子が沢山!今回は定番のお饅頭に贅沢な栗をまるごと一つ合わせた秋の和菓子、「栗茶饅頭」をご紹介。
黒糖を練り込んだ茶饅頭というお饅頭は、和菓子屋さんの定番メニューのひとつ。一般的な茶饅頭は、水に黒糖を入れて完全に溶かした蜜にしてから粉類とあわせていくのですが、八丁堀伊勢屋さんの茶饅頭はそのシロップの一部を焦がしキャラメル上にしてあわせるという特徴が。そっとフィルムをはがさなければ、折角の艶肌がとれてぽろぽろと残念なことになってしまうので要注意。スンと鼻に近づけて息を吸えば、蒸かされた生地のほっこりとした芳香が立ち昇ります。思わずストンと肩の力が抜けてしまうような癒し系の香り。
ふかふかの生地は軽やかで食べやすく、優しい甘味のこし餡との一体感やバランスが取れた味わい。そこに加わるのが、芯までしっかりと甘い蜜が染み込んでいる栗の甘露煮。ほろりとほどけてもその破片すらしっとりと蜜が染み込んでいるので、こし餡ともよく馴染む食感と甘味。深く考えずとも、直感で美味しいと声がでてしまうような和菓子です。
それぞれの和菓子の個性はしっかりと備えつつ、全体的にバランスが取れた素朴な味わいの御菓子が揃う八丁堀伊勢屋さん。ふと、なにか甘いものが食べたいなと思った時にこんなお店が身近にあったら素敵だろうな、と思いつつ、お昼時にお弁当と大福を購入する周辺で働く人たちを羨望の眼差しで見つめながら、こういう方々がもっともっと増えたらいいなと思った次第です。
<八丁堀伊勢屋>
東京都中央区八丁堀3丁目18-11
月曜~金曜8時~18時30分(9時頃に商品が揃います)
定休日 土日祝