使い方を間違えること、またはそういう使い方のことを「誤用」といいます。あなたが普段何気なく使っている言葉も、実は日本語の誤用かも？この記事では、意味を誤用している人が多い「号泣」について紹介します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね！

「号泣」の正しい意味は？

突然ですが、「号泣」の意味を説明しろと言われたら、どう答えますか？実は、「号泣」の正しい意味は大声を上げて泣くこと。泣き叫ぶこと（参考：号泣（ごうきゅう）とは？ 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書）。

しかし、「号泣」の意味は「大声を上げて泣く」「激しく泣く」のどちらだと思うか文化庁が世論調査を行ったところ、「激しく泣く」を選んだ人の方が多かったのです（参考：文化庁　令和４年度 国語に関する世論調査 〔令和５年３月調査〕）。このことからも、誤用がかなり広まっていることがわかりますね。

みなさんも、「静かに号泣」「映画館で号泣」なんて言い回しを耳にしたことがあるのでは？しかし実際は、号泣している時点で静かではないですし、映画館で号泣するのは周りの目がかなり気になるはず……。

「号泣」を正しく言い換えるなら？

大声を出さずに、単に激しく泣くことやたくさん涙を流すことを表現したいときの言い方をいくつか紹介します。ほかにも泣くことに関する表現はたくさんあるので、ぜひシーンに合わせてピッタリな表現を探してみてくださいね。

■むせび泣く　

息が詰まるほど激しく泣く。声をのみこむようにして泣く。むせかえる。

参考：噎び泣く／咽び泣く（むせびなく）とは？ 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

■すすり泣く

すすりあげるようにして泣く。しゃくりあげて泣く。

参考：啜り泣く（すすりなく）とは？ 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

■さめざめ／しくしく／めそめそ　

声をたてずに泣く様子。

参考：めそめその類語・言い換え

■感涙

深く感じて流す涙。感激・感謝のあまり流す涙。

参考：感涙（かんるい）とは？ 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

■悲涙

悲しんで流す涙。

参考：悲涙（ひるい）とは？ 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

＜使用例＞

・「好きなアイドルが結婚したことを知って、職場のトイレでむせび泣いた」

・「あの映画どうだった？」「いや～、あまりに良くて、感涙しちゃいましたよ」

いかがでしたか？

今回は、本来の意味より誤用が定着しつつある「号泣」についてお伝えしました。話のネタにするもよし、さっそく正しい使い方を会話に取り入れてみるもよし、この記事がみなさんにとって何かの手助けになれば幸いです。