「牛蒡」…これ読める?秋の食べ物の難読漢字【秋の味覚】
ちょっと良いレストランでコース料理を頼んだけれど、お品書きの食材の漢字が読めない……。
そんな経験はありませんか?
ただでさえ、秋の食べ物は「南瓜(かぼちゃ)」「秋刀魚(さんま)」など難読漢字がたくさん!この記事では、「秋の味覚」をテーマに、食べ物の難読漢字をクイズ形式で紹介します。
店員さんに聞かずにスッと自分で難しい漢字が読めたら、きっと快感♪クイズは全部で5問ありますので、おいしい秋の味覚のことを考えながら楽しく一緒に勉強してみましょう!
①「牛蒡」
まずはこちら!「牛」という字が入っていますね。さあこれは何と読む?
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正解は「ごぼう」!
「牛」の字を使うのは、もともと中国では草木の大きなものに「牛」という字を使うことから。ごぼうは「蒡」という草に似ていたものの、それより大きかったことから「牛蒡」という漢字になったのだとか。おなじみの”きんぴらごぼう“も、“金平牛蒡”と書くとかなり印象が変わりませんか?
何かを勢いよく引き抜くさまや、何人かを走って一気に追い抜くさまを表す「ごぼう抜き」という言葉も、もちろんこのごぼうが由来。大勢のうちからひとりをむりやり引き抜くことを「ごぼう抜き人事」ということもあるようですが、「ごぼう抜き人事」はどの季節に出くわしてもびっくりしそうですよね。
ごぼうの旬は11~2月。4、5月には香りのよい「春ごぼう」が出回りますよ。
②「甘藷」
「かんしょ?」と思った方も正解です!ただ、もうひとつ読み方があります。その読み方とは?
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正解は「さつまいも」!
漢字で書く場合は「薩摩芋」の方が一般的かもしれません。しかし「甘藷(かんしょ)」というのはさつまいもの別名なので、「かんしょ」とも「さつまいも」とも読むのです。どちらで読むかは時によりますが、とにかく、この漢字が出てきたらさつまいものことを指していると覚えておきましょう。
さつまいもの旬は9~11月。秋の味覚といえば、頭に浮かぶ人も多いことでしょう。
③「毬栗」
「栗、だけ読めるワ」と思ったそこのあなた!さて、いったい「なに栗」?
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正解は「いがぐり」!
「いがぐり」という言葉を見聞きしたことはあっても、「いが」の漢字を知らなかった人も多いのでは?
この「毬」という字は「まり」とも読みます。これはまりつきの「まり」のこと(「まり」は「鞠」とも)。たしかに「いが」は、まりのような丸い形をしていますよね。
ちなみにおせち料理の栗きんとんは「栗金団」と書きます。栗金団はあまく煮てつぶしたさつまいもと栗を混ぜたもの。秋の味覚の競演が楽しめる一品といえるでしょう。
栗の旬は9~10月なので、まさに今。ところで頭を丸刈りにした「毬栗坊主」は年中見かけますが、彼らにとって秋は、そろそろ頭に寒さを感じ始める季節かもしれませんね。
④「占地」
これはもし知らなくても予想で正解できるかも?さあ、わからない人も考えてみましょう。
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正解は「しめじ」!「湿地」とも書きます。
しめじは、「香りまつたけ、味しめじ」と言われることもあるくらい、おいしいキノコですよね。
しめじの旬は9~11月です。ただし旬なのは「ほんしめじ」。スーパーでよく見るしめじより小ぶりな「ぶなしめじ」は人工栽培のため、実際のところ旬はないようなものだそう。ちなみに「ぶなしめじ」は漢字で「橅占地(橅湿地)」と書きます。
⑤「柳葉魚」
さあ、こちらはなんの魚でしょうか?
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正解は「ししゃも」!
この漢字は、神様が柳の葉を魚に変えたアイヌ地方の伝説が由来なのだとか。
ししゃもといえば、もともとは北海道の川に戻ってくる種類を指していましたが、最近は海外輸入された代用のカラフトシシャモのことを指す場合が増えています。
旬は10~11月。産卵の折に川を上るその時期がまさに旬でおいしいようです。
いかがでしたか?
5問中、何問正解できましたか?ぜひ、誰かと秋の味覚を食べるときの話のネタにしてくださいね!
<参考>
*『三省堂国語辞典』第八版(2022年、三省堂)