週明けは「引きの西高東低」の気圧配置
週明けの寒気の南下
令和2年(2020年)の1月は、本州の南岸に低気圧が停滞したり、日本海で低気圧が発達したりと、まるで3~4月のようでした。
しかし、2月は、平年の冬のような寒さで始まりました。
2月2日(日)は、午後から西高東低の冬型の気圧配置が一時的に崩れ、寒気の南下が弱まりますが、日本海で発生した低気圧が週明けの北日本を通過します(図1)。
このため、週明けの3日(月)以降、再び強い寒気が南下してきます。
それも、今冬一番の寒気です。
上空約5500メートルの気温分布をみると、冬季の北極上空にできた氷点下42度以下の冷たい空気の塊が分裂し、そのうちの一つがオホーツク海まで南下してきます(図2)。
雨で降ってくるか、雪で降ってくるかの目安の一つに、地上付近の上空約1500メートルの気温があります。
この上空約1500メートルの気温が、氷点下6度以下なら雪になりやすいと言われますので、降水現象があれば、九州・沖縄を除いて雪として降ります(図3)。
また、氷点下12度というのが大雪の目安ですので、北陸以北の日本海側の地方では大雪の可能性がでています。
冬型の気圧配置の「押し」と「引き」
冬のシベリア地方では、太陽光がほとんど当たらず、放射冷却によって冷たくて乾燥したシベリア高気圧をつくります。
相対的に暖かい千島近海からアリューシャン列島南部にかけて気圧が低くなり、日本付近は西のほうで気圧が高く、東の方で気圧が低いという「西高東低の気圧配置」となります。
「西高東低の気圧配置」は、冬に多い気圧配置なので、「冬型の気圧配置」とも言いますが、大きく分けて「押し」と「引き」の2種類があります。
西高東低型のうち、シベリア高気圧が強いために等圧線の間隔が狭まり、押し出されるように季節風が吹く場合が「押し」で、長続きする持続型です。
これに対し、日本東海上の低気圧が発達したために等圧線が狭まり、引き込まれるように季節風が吹く場合が「引き」で、各地に暴風や大雪をもたらす反面、この荒天は一時的なもので、瞬発型です。
無論、高気圧と低気圧の双方が強い、「押し引き混合型」もありますが、このときは、非常に強い寒気が南下して大荒れとなり、長続きします。
週明けからの西高東低の気圧配置は「引き」ですので、強い寒気が南下しても長続きしません。
今週末には、西高東低の気圧配置が崩れ、日本の南岸を低気圧が通過する見込みです。
冬至のころに比べると、日の入り時刻がかなり遅くなっており、「光の春」を感じておられる方も多いと思います。
梅開花などが春のたよりがポチポチと聞かれますが、気温が高くなって植物が一斉に活動を始める「温度の春」ももうすぐです(写真)。
タイトル画像、図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
写真:著者撮影。