「温度の春」はまだでも「光りの春」が到来
並みの冬に
令和2年(2020年)の1月は、季節が一気に進んで早春のようでした。
本州の南岸に前線が停滞して太平洋側の地方で曇りや雨の日が多かったのは、菜種の花が咲くころに出現する菜種前線の天気図です。
また、日本海で低気圧が発達したのは、春一番から始まる春の嵐のようでした。
しかし、2月に入ると、西高東低の冬型の気圧配置の日が続く予報です。
北海道や東北地方の日本海側から山陰地方では雲が多く、雨や雪の日が多くなり、その他の地方では概ね晴れるという、例年の冬並みの天気になりそうです。
1月31日から2月1日は南下する寒気は長続きせず、2月1日夜には西からゆるんできますが、週明けにくる次の寒気は3~4日は居座りそうです(図1)。
テレビや新聞などでは、気温の予報は最高気温と最低気温の2つの数字しか表現されませんが、発表される予報には上限値と下限値もあります。
2月中旬までの東京の気温予報では、今週末は比較的気温が高く、週明けからは気温が低くなり、次の週末に向けて気温が高くなっていますが、最高気温、最低気温ともに、予報の上限値と予報の下限値の間に平年値があります(図2)。
つまり、平年値を中心とした気温変化をするという予報です。
そして、東京など太平洋側の地方では晴れる天気がしばらく続き、日本海側の地方では曇りや雨、雪の天気がしばらく続く見込みです(図3)。
気温は低いものの
平年並みの寒い気温の2月ですが、真冬に比べて変わってくることがあります。
それは昼間の時間です。
東京の日出から日入までの時間(昼間の時間)は冬至の頃(12月22日)で10時間56分です。
その後、徐々に昼間の時間が長くなり、立春(2月4日)の頃には11時間40分となります(表)。
それも、多くの人が寝ている頃の日出時刻の早まり(冬至に比べて8分)より、多くの人が活動している日入時刻の遅れ(冬至に比べて38分)のほうが大きいという特徴があります。
このため、昼間が非常に長くなったと感じるのが立春の頃です。
「春は名ばかり」といわれる立春の頃が一番寒い時期ですが、「光りの春」とも言われる所以です。
平年並みの寒い2月ですが、月末に向けて平年値は徐々に高くなっていますので、気温が上昇する温度の春ももうすぐです。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。
図3の出典:ウェザーマップ提供。
表の出典:理科年表(丸善)をもとに著者作成。