地域の女性防災会議|備蓄食の試食で分かった避難生活“食”の課題
巨大地震発生確立80%以上の地域で始まった女性防災会議
2019年に政府の地震調査委員会が発表した、今後30年以内にマグニチュード7.8から8.5程度の巨大地震が起きる可能性が「80%程度」とされた北海道根室市。東日本大震災でも2.8メートルの津波が押し寄せました。根室市は過去にも巨大地震が何度も発生し、市民の防災意識は高い方かもしれません。行政も力を入れて広報活動を行っています。そんな根室市で女性の視点から考える「女性防災会議」に参加させていただきました。他の地域の方にも参考にしていただけるよう、内容をレポートしていきます。
今回は「備蓄食」の試食から始まりました。
アレルギー食品28品目に対応・作り方にコツがある
市役所の担当者が準備してくれた備蓄食はすべて、アレルギー食品と言われる28品目を使用せず、多くのお子さんも安心して食べることができます。パンやクッキーを除いてほとんどが、お湯を注いで15分前後で完成。作り方はとても簡単ですが、いざという時にお湯や食器の準備や、待つ時間など、一度は経験した方が良いなと思いました。
みなさんでヤイノヤイノと楽しく試食。地域の人と交流しながら、こうした体験をすることはとても貴重な時間。自治体の方と協力し合いながら、みなさんの地域でも体験できるよう体制を整えてもらえると良いですね。
参加者からは以下のような感想が聞かれました。
- お湯の分量が少しでも違うと、ご飯がベチャベチャになったり固すぎたりと難しかった
- 備蓄食のバリエーションがこんなにあるとは知らなかった
- 長い避難所生活で食への意欲が低下する子供たちにカレーなど刺激のある味は良さそう
- 味は普通においしい
- 副菜や肉類がもっとあったら嬉しい
防災訓練・避難所体験を今後実践してみよう
試食の後は根室市の防災について、今後の課題を話し合いました。
試食したことで「体験する」ことの重要性が再認識され、地域の人たちが防災訓練や避難所体験に参加できないか、との意見がありました。また避難所生活が長引いた時のプライバシー確保の問題。
さらにアレルギーだけではなく高齢者や障害のある人の「食事」については、担当者から「ハイゼックス炊飯袋」が紹介されました。
お米と水を入れて、沸騰したお湯で30~40分ほど温めるたけで、ご飯やお粥ができてしまう袋。備蓄食が食べられない人でもお粥もできるので安心ですね。中の水さえキレイであれば炊く水は多少汚れていてもOK。また袋状のため保管の際に場所を取らないのも便利です。
「災害弱者」を救うためにもこうした視点はとても大事なこと。一般の人はなんとか暮らせても、サポートが必要な人は意外と身近にもいるものです。
支援を必要とする人の視点を忘れずに、防災対策を進めていくことが「地域力」にもつながると思いました。
ハイゼックスで作るご飯も含め災害時の調理について、日本赤十字社のHPでさまざまなレシピが紹介されていましたので、こちらも参考にしてみてください。
日本赤十字社のレシピはこちら
今回の防災コネタは北海道根室市の女性防災会議についてでした。こちらの様子は今後もレポートしていきます!