全国的に4月の暖かさ 来週は強い寒気南下で上海でいう「春宣言」は東京も福岡もまだ先
動きの遅い高気圧
令和3年(2021年)2月13日(土)から14日(日)の日本列島は、動きの遅い大きな高気圧に覆われる見込みです(図1)。
このため、ほぼ全国的に晴天となり、日射によって気温が上昇する見込みです。
また、沖縄の南海上には、この大きな高気圧に行く手を阻まれて、動きが遅くなっている低気圧があり、この低気圧をまわるように暖かくて湿った空気の流入によって西日本の太平洋側では雲が多く、雨が降っている所もありますが、冷たい雨ではありません。
2月13日(土)の最高気温は、沖縄・奄美地方だけでなく、九州でも20度前後まで上がり、東日本の太平洋側でも15度前後、東北でも10度くらいまで上がる見込みです(図2)。
3月末から4月の気温となり、春本番のような週末となり、例年であれば「お出かけ日和」といったところでしょうが、今年は、一刻も早く新型コロナウィルスが終息するようにステイホームです。
このまま、春に突入しそうですが、中国・上海気象台の「春宣言」の定義には該当しません。
上海気象台の「春宣言」
日本の気象庁では、「春一番がふきました」という情報を発表しますが、春が来ましたという「春宣言」はしていません。
お隣の国、中国・上海気象台は、平均気温が10度以上になった日が5日連続した場合に「春宣言」を発表しています。
冬から春にかけて寒暖を繰り返すことが多いのですが、5日連続で暖かくなれば、その後の寒気南下は一時的で弱いと考えているのではないかと思います。
上海気象台の基準で平年値をみると、札幌5月4日、仙台4月18日、東京3月31日、大阪3月23日、福岡3月17日、鹿児島2月19日が「春宣言」の日となり、私たちの実感にあいそうです。
なお、沖縄・奄美地方は、平年値でみるといつも10度以上で、冬に相当するものがないので、「春宣言」はできません。
平年値ではなく、令和3年(2021年)でみてみると、鹿児島では1月21日から28日まで連続して平均気温が10度を超えています。
従って、鹿児島の「春宣言」は1月25日ということになります。
しかし、九州南部以外、例えば福岡では、まだ平均気温が10度以上の日が5日連続していません。
福岡の2月11日の平均気温が9.7度、12日が11.5度で、13日から15日も平均気温が10度を超える見込みです。
しかし、16日は平均気温が10度を超えそうにありません(最高気温が12度、最低気温が5度の予報)。
4日連続でとまりそうですので、今回の暖かさも「春宣言」には至らず、下旬以降ということになりそうです(図3)。
東京は、福岡より1日遅れて気温が高くなり、平均気温が10度を超えるのは2月14日から16日の3日間だけになりそうです(図4)。
東京の「春宣言」は、福岡よりかなり遅れそうです。
強い寒気の南下
令和2年から3年(2020年から2021年)の冬は、前年の暖冬から一変し、寒冬となっています。
日本付近のジェット気流が大きく蛇行し、この蛇行にのって北極付近の強い寒気が、周期的に日本付近へ南下しているからで、これまで5回強い寒気が南下しています。
1回目は12月14日頃から、2回目は年末年始頃、3回目は1月7日頃から、4回目は1月16日頃からで、5回目は1月29日頃からのものです。
そして、強い寒気が南下するたびに、各地の冬日(最低気温が0度未満)と真冬日(最高気温が0度未満)の観測地点数が増加しています(図5)。
2月に入ると、短い周期で暖かい日が入ると寒い日が繰り返されていましたが、来週の半ばに南下してくる寒気は、
日本列島に南下する寒気の目安として、上空約5500mの気温が使われます。
上空約5500mの気温が氷点下30度以下なら強い寒気、氷点下36度以下なら非常に強い寒気で大雪の可能性もあります。
来週半ばには、この氷点下36度以下の寒気が日本海に入ってきます(図6)。
あと少しで「春宣言」という暖かさのあとの寒気です。
体感的には非常に寒く感じますので、体調管理に十分な注意が必要です。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図3、図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに著者作成。
図5の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに著者作成。