木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 織田信長が盆踊りで人々を感激させた納得の訳
木村拓哉さんが主演する映画『レジェンド&バタフライ』が公開され、話題を呼んでいます。木村さんが演じるのは、戦国大名の織田信長。信長と言えば、同映画にも描かれたように「魔王」として恐れられた面もありますが、決して怖い人、冷酷な人というばかりではありません。そればかりか、温かみ溢れる対応・態度で人々に感激の涙を流させたこともあったのです。
本日、ご紹介するのは、信長がまだ若い頃、尾張国にいた頃のお話です。ある年の7月18日、津島(愛知県津島市)において、信長は踊りを興行します。赤鬼、黒鬼、餓鬼、地蔵、弁慶などに信長の陪臣(家来の家来)が扮し、踊りを踊ったのです。家臣にだけ任せていたわけではなく、信長自らも踊りに参加。
信長は「天人」の格好をして、小鼓を打ち、女踊りをしたということです(信長の家臣・太田牛一が記した書物『信長公記』より)。
津島の村々の年寄たちも、返礼にと踊りを披露します。彼らは後に清須城にやって来ます。信長は彼らに対し「ひょうきんだ」などと気さくに声をかけたと言われます。
それだけではありません。自ら扇で人々を扇いでやったり、お茶を飲むように勧めたり、それはそれは親しく接したのでした。信長の態度に津島の人々は、大変有り難いことと感動。涙を流して帰っていったようです。
盆踊りでも人々を楽しませ、その後の振る舞いにおいても人々を感激させる。「人たらし」というと信長の家臣・羽柴秀吉が有名ですが、私はこうした逸話から、いやいや、信長もなかなかの「人たらし」ではないかと感じるのです。