【オートバイのあれこれ】2気筒でとことん性能追求!ホンダ・ホークⅡ
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は『2気筒でとことん性能追求!ホンダ・ホークⅡ』をテーマにお話ししようと思います。
最近は絶版バイクが流行っていて、オートバイが好きな人なら「ホンダのバブ」という言葉を聞くこともしばしばあるのではないでしょうか。
今回は、その「バブ」こと『ホーク CB250T』の兄貴分『ホークⅡ CB400T』についての話です。
ホークⅡは『CB400FOUR』(ヨンフォア)の後継モデルとして1977年(昭和52年)5月、250ccのホークは同年7月、それぞれデビューしました。
ホークシリーズ最大の特徴が、パラツイン(並列2気筒)エンジンを搭載していたということ。
70年代といえば4気筒エンジンが流行していた時期ですが、ホンダはホークシリーズのパワーユニットに2気筒をチョイスしました。
2気筒を選んだ背景にあるのが、CB400FOURにおける誤算。
今でも日本製バイクの傑作車として名高い『CB750FOUR』の兄弟モデルとして、並列4気筒エンジンを搭載していたヨンフォアは、もちろんホンダの技術力とチャレンジングスピリットを示す存在ではありました。
しかし一方、その生産コストは決して安くなく、さらに75年の免許制度改変による中型限定区分の制定がヨンフォアをより売れづらくし、ヨンフォアは“採算の悪い”モデルと化してしまったのでした。
この背景から、
「海外でのニーズを見込める大排気量車ならまだしも、マーケットの小さい(主に)日本向けの400ccモデルに、高コストの4気筒は不適」
という結論に至り、ホークシリーズには2気筒が使われることになったというわけです。
とはいえ、ホークシリーズがコスト重視の「ちゃっちィ」バイクということではありません。
ホンダはツインエンジンでありつつもクラストップのパフォーマンスを追求し、気筒あたり3バルブ(吸気側2/排気側1)を投入、また2個のピストンでパワーを絞り出すため、シリンダーボアが大きくピストンストローク量の小さいショートストローク型の設計を採用しました。
最終的に完成したホークⅡのエンジンは、9,500rpmで40psを発揮。
400FOURが8,500rpmで36psでしたから、ホークⅡのツインエンジンはヨンフォアの4発よりもよく回って、よく走るエンジンになっていたと言えます。
今ではそうしたイメージはかなり薄らいでいるように思いますが、ホークシリーズというのは元々、4気筒をも凌駕する生粋の「スポーツ派ツイン」として作られたのですね。
この後、カワサキ『Z400FX』の登場により4気筒のニーズが一気に高まり、ホンダも結局『CBX400F』で4気筒に回帰するわけですが、「2気筒でも性能を追求できる!」ということを証明してみせたという点で、やはりホークシリーズはホンダの歩みを語るうえでは外せない存在なのです。
画像引用元:本田技研工業