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「とても怒っているからだ」と銃撃の容疑者 米ガーリック・フェスティバル銃乱射 現場で何が起きたのか?

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
花火ではなく、銃乱射だとわかり、会場から逃げる人々。写真:rapida.co

 子供連れの家族客で賑わう週末の楽しいフェスティバルで、銃乱射事件という惨劇が起きると誰が思うだろうか?

 1日ほぼ1件は4人以上が撃たれる銃乱射事件が発生しているアメリカ。銃乱射事件は、アメリカでは、どんなに平和なところでも、いつ起きてもおかしくない状況になっている。

 28日午後5時41分(米国西海岸時間)、カリフォルニア州ギルロイ(サンフランシスコの南東176キロ)にあるクリスマス・ヒル・パークで、40年前から毎年行われているニンニクのお祭り「ギルロイ・ガーリック・フェスティバル」の最中に銃乱射事件が発生、現在までのところ、4人が死亡(警察に射殺された銃撃の容疑者を含む)し、少なくとも15人が負傷した。

 銃乱射事件が起きたのはフェスティバル最終日の3日目。ミュージック・バンドが最後の曲の演奏を始めた時だった。男がステージの右側から現れ、突然銃撃を始めた。

 パン・パン・パン・パン。

 多くの人々が最初はその音を花火の音だと勘違いしたようだ。しかし、音は鳴り止まず、誰かが「銃乱射だ!」と叫ぶと、会場にいた人々は方々へと散るように逃げ出したという。会場で別行動していた子供の名前を呼ぶ親や地面に伏せる人々、テントの後ろやテーブルの下に隠れる人、脚を撃たれて血を流す人。ライヴをしていたバンドのメンバーはステージの下に隠れた。会場は混乱とパニックに満ちた。

 ある目撃者によると、男は約30発を無差別に発砲、少し間をおいて、再び、約30発発砲した後、ステージの背後へと逃走したという。発砲は約7分間近く続いたようだ。

 

 ギルロイ警察によると、銃撃の容疑者はすぐに見つかり、警察に射殺された。銃撃の容疑者は会場に入るためのメタル・ディテクターによる安全チェックを避けるために、何らかのツールを使ってフェンスを切り裂き、フェスティバル会場に侵入したと思われる。また、銃撃の容疑者をサポートした2人目の容疑者がいる可能性もある。

 ギルロイ警察は捜査を続けているが、銃撃の動機はわかっていない。

 事件は、男がホテルから野外コンサートの来場客を狙って乱射し、少なくとも58人が死亡したラスベガス銃乱射事件を思い起こさせる。2017年10月に起きたこの事件は、いまだ、その動機は解明されていない。

 ある目撃者がCBSニュースに話したことによると、男はグリーンのシャツを着て、首の周りにグレイっぽいハンカチーフを巻いており、フードなどを販売しているエリアに向かって、自動小銃のような銃で無差別に発砲したという。

 また、会場にいた誰かが「なぜこんなことをしているんだ?」と叫ぶと、男は「とても怒っているからだ」と答えて、乱射を続けたという。

 銃撃の容疑者は何に対して怒っていたのか? 動機の解明が待たれるところだ。

在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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