台風10号は一段と「西寄りで遅い北上」に、今後も必ず最新の予報円の確認が必要
現在は九州から四国へ上陸コース
強い台風10号は日本の南にあって、時速30キロで北西へで進んでいます。今後は減速しつつ北西方向へ進む予想で、あさって27日(火)午後3時には、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い勢力となって、九州の南海上に達する見込みです。
その後は、北から北東方向へ転向し、予報円の真ん中を進むと、28日(水)午後3時には、強い勢力を維持して九州から四国付近に到達し、少し加速しながら西日本から日本海へ抜けていく予想です。ただ台風10号を西寄りに進める太平洋高気圧の勢力が強まっているため、予報円が更新されるたびに、転向点が西寄りに変わってきていて、偏西風に乗るタイミングも遅くなってしまい、接近、上陸、通過のタイミングや地域が大きく変わってきています。(関連記事)
大回りで遅いルートに、必ず最新の予報円の確認が必要
上図はおととい23日(金)午後3時に発表された予報円(左図)と、きょう25日(日)午後3時に発表された最新の予報円(右図)との比較を示したものです。分かりやすいように、28日(水)午後3時の予報円をオレンジ色で着色しています。
おととい発表された予報円では、28日(水)午後3時に到達するであろう台風10号の中心位置が新潟市付近で、オレンジ色の予報円は東日本から東北地方の範囲となっていました。ところが最新の予報円では、大きく西へ南へ変わり、中心位置が高知県の西部付近となり、オレンジ色の予報円は四国から中国、九州の範囲となっていて、わずか2日で完全にずれてしまっている格好です。
予報円に台風の中心が入る確率は70%ですから、逆に予報円に入らない確率も30%ということになり、予報円の外に進むことも多々ありますが、わずか2日でここまでブレてしまうのは、珍しいかもしれません。関連記事として挙げた太平洋高気圧と偏西風との兼ね合いにより、今回の台風10号の転向点や北上の度合いはもともと難しい予想となっていますが、この先も転向点がしっかり予想されなければ、予報円が大きく変わる可能性も考えられますので、必ず最新の予報円を確認するようにしてください。
首都圏のピークは29日(木)か
最新の予報円をもとに荒天を考えれば、台風10号が直撃し、通過する西日本では28日(水)が最大のピークに、そして首都圏では、これまでよりも大きく後ろ倒しとなり、29日(木)ということになりそうです。ただこれも今後の台風10号の動き次第でまた変わる可能性があります。ちなみに諸外国を含む様々な計算では、もっと遅く台風10号の北上を予想するものもあり、その場合は、首都圏での荒天のピークが30日(金)までずれ込む計算もあります。