台風21号は、まるで9月のようなコース取りで本州方面に北上か
来週なか頃、沖縄の南へ
きょう25日(金)午前6時、グアム島近海で台風21号が発生しました。黄色い強風域が広く、発生当初から大型の台風となっています。今後しばらくは西寄りに進んだ後、東経130度付近から北上傾向を示し、来週30日(水)午後3時には、暴風域を持つ強い台風として、沖縄の南海上へ達する見込みです。
10月下旬ならば、沖縄の南付近から北または北東へ転向しても、日本の南を離れて進み、伊豆諸島から小笠原諸島付近を通過することが多いものですが、今回の台風21号は、沖縄付近からさらに北上し、本州付近に近づいてくる可能性が考えられます。それは太平洋高気圧が季節外れに強いからです。
季節外れに強い太平洋高気圧
上図は、来週30日(水)昼の台風21号、太平洋高気圧、偏西風の予想を示したものです。通常、10月下旬ならば、すでに太平洋高気圧は小笠原の南に衰退している時期となります。ところが今年は今になってもなお強く、特に来週は本州のすぐ南まで張り出してくる予想です。
また上空の偏西風も朝鮮半島から北日本方面を流れる予想となっていて、条件的には、まさに9月を彷彿させるような上空の流れが予想されています。このため、台風21号は、まるで9月のようなコース取りで、北上してくる可能性があるのです。
日本と欧州の予想が近づく
参考までに、上図は、来週11月1日(金)午前9時の日本と欧州のモデルの計算結果です(アンサンブル予報のコントロールラン)。これまで日本のモデルの北上が遅く、欧州のモデルの北上が速いために、両者にかなりの相違がありましたが、いやなことに、最新の計算では、両者の予想がかなり近づいてきました。中心気圧が950hPa台で、ともに西日本に近づくような計算となっています。
とはいえ、まだ太平洋高気圧の盛衰や偏西風の流れ次第で、両者の予想が大きく変わる可能性もありますので、最新情報にご注意ください。