台風21号は台湾直撃で熱低予想に、それでも3連休は秋雨前線との一体化による大雨に要警戒
太平洋高気圧に押し出され台湾直撃へ
大型の台風21号は、フィリピンの東にあって、西北西に進んでいます。今後は急速に発達しながら北西方向へ進み、31日(木)午前9時には、中心気圧935hPa、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力となる予想です。ただ予報円が更新されるたびに西寄りの進路となっていて、最新の予報円では、台湾を直撃する予想となりました。
台湾は中央に標高の高い山が連なっていますので、どんなに強い台風でも、台湾を通過する際には急速に勢力を落とすことが多く、今回の台風21号も、台湾を通過した11月1日(金)午前9時には暴風域すらなくなる予想となっていて、東寄りに転向する2日(土)午前9時には、さらに風が弱まり、熱帯低気圧に変わる予想となっています。
ですから、この予報円の真ん中付近を通過してくるならば、台風の勢力のまま九州へ近付いてくる可能性はかなり小さくなってきたといえます。ただまだ予報円には幅があり、台湾の東側をかすめて北上してくるならば、勢力を維持したまま転向してくる可能性もあるし、またさらに台湾の南を西進するならば、大陸で熱帯低気圧に変わって、消滅する可能性も考えられるような状態です。
熱低に変わっても秋雨前線と一体化で大雨に警戒を
上図は予報円の真ん中付近を台風21号が進んだと計算した時の雨雲の予想です。11月早々としては、異例に強い太平洋高気圧の北側に位置する秋雨前線と熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の雨雲が一体化するようにまとまり、2日(土)から3日(日)にかけて、本州付近を通過する計算です。
最新の見立てでは、本州付近が台風襲来で大荒れとなるようなことはなさそうですが、熱帯由来の際立った暖湿気と北側の冷気が衝突して発生した秋雨前線の活動が非常に活発となり、季節外れの大雨が降る可能性も大いに考えられます。今週末からの3連休は、たとえ台風21号が消滅したとしても、全く油断できない状況となりそうです。