インフラとしてのTwitterを印象づける「Twitter Alerts」
Twitterが9月25日、「Twitter Alerts」を発表しました。
このサービスは、危機管理情報を発信する機関や大学などのTwitterアカウントで「#alert」タグが付けられた情報が投稿された際、携帯電話のSMSやスマホのTwitterアプリのプッシュ通知でユーザーに知らせるものです。
Twitterはアラートに対応するアカウントのリストをこちらのページで公開しています。米国では国全体をカバーする機関として、米国赤十字や米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)、米国国土安全保安省などが参加しており、地域ごとの機関も名を連ねています。
米国以外に日本と韓国の機関が参加しており、日本では警視庁警備部災害対策課、Tenki.jp、東京都防災、東京消防庁に加えて、TOKYO FMや嘉悦大学といったメディアや大学が参画している点は、Twitterをより活用している日本らしい対応と言えるでしょう。例えば大学は、通学に関わる電車の運行情報や気象・災害等に伴う休講情報の配信を行うことになると思いますが、これらの情報は学生だけでなく、地域の人々にも役立ちそうです。
これらのアカウントをフォローしたうえで、アラートをONにすることで、Twitterアプリ上での「#alert」タグ付きのツイートのハイライト、SMSでの受信、アプリでのプッシュ通知を受け取ることができるようになります。TwitterアプリはiPhone、Android向けの最新版で利用する事ができます。
ちなみに、日本の携帯電話番号では、SMSによる通知を受け取ることができません。
インフラとしてのTwitter
Twitterは2013年9月に株式上場を申請しましたが、具体的な書類は伏せられたままです。以前この件をご紹介した際に、Twitterが目指しているのは「リアルタイム・インフラ」だとしていました。特に日本の東日本大震災や、米国でのハリケーンなどで情報流通に成果が上がったことから、Twitterで緊急情報の流通を円滑に行うための仕組みを整え、リアルタイム・インフラとしての性格を強めることになります。
しかも、その対応が非常に簡単である点も注目です。Twitter Alertは、認証された緊急情報を配信するアカウントと、「#alert」ハッシュタグという2つの運用方法のみで情報発信側が参加できる仕組みです。プッシュ通知とSMS配信をTwitter側が用意するだけでこの仕組みが出来上がりました。
非常にシンプルなTwitterの構造は、高い汎用性を見せつけてくれます。
これまでもTwitterはユーザーが勝手にやり始めた流儀を機能として取り入れて発展してきました。むやみな拡張なしに、ユーザーの創意工夫によるサービス作りの可能性はまだまだ広がっていきそうです。