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琉球ブルーオーシャンズ、四国アイランドリーグplusとの交流戦始まる【九州アジアリーグ】

阿佐智ベースボールジャーナリスト
大分B-リングスと香川オリーブガイナーズとの試合が行われた佐伯中央病院スタジアム

NPB 先月末に開幕したプロ野球独立リーグ、九州アジアリーグ(KAL)は、他団体との交流戦に突入した。

 発足したばかりの今シーズンは火の国サラマンダーズ(熊本)と大分B-リングスの2球団体制とあって、本格的なリーグ戦を組みにくいのが現状である。そこで、「公式戦」として両チーム同士の対戦を36試合実施し、それに加え、「交流戦」として、昨年活動を開始した沖縄の独立プロ球団、琉球ブルーオーシャンズと12試合、四国アイランドリーグplus加盟の4球団と各々2試合、計8試合、それにNPBの福岡ソフトバンクホークス三軍と4試合を両球団が戦うことになっている。交流戦は、サラマンダーズ、B-リングス両チームが各々2試合ずつホークスのファームの本拠、筑後に出向く以外は、すべて各チームを迎えてのホームゲームとして実施され、両チームとも24試合の「他流試合」を行うことになっている。   

「交流戦」は、ペナントレースの優勝争いにかかわる「公式戦」とは扱わない。ただし、「交流戦」「公式戦」とも、「公式試合」という扱いで、個人成績に関しては、交流戦の記録もKALの公式記録として算入し、無料の練習試合ではなく、興行試合としてチケット販売も行う。ソフトバンクにとっては、そもそも三軍に公式戦は存在しないし、アイランドリーグも練習試合として扱っている。しかし、リーグに属していない琉球だけは、この交流戦を「公式戦」と位置付けている。

 少々特異なかたちでの交流戦だが、先週は、サラマンダーズが9日金曜から本拠、熊本市のリブワーク藤崎台球場で琉球と3連戦を行い1勝1敗1分けと独立リーグ界の先輩球団と星を分けた。一方のB-リングスは、11日の日曜に、開幕戦を行った佐伯中央病院スタジアムに四国アイランドリーグplusの強豪、香川オリーブガイナーズを迎えたが、2日のサラマンダーズ戦に続いて先発した片山凌平(堺シュライクス)が乱調で、初回にいきなり5失点。その後も、後続のリリーフ陣が香川打線を止めることができず、18点という大量点を献上してしまった。B-リングスも主砲、白崎浩之(オリックス)に待望の一発が出たが、この2回の2ランのみ、力の差を見せつけられる結果となった。

B-リングス第1号HRを放った元DeNA、オリックスの白崎
B-リングス第1号HRを放った元DeNA、オリックスの白崎

 そして、12日の月曜には、琉球が大分に移動。臼杵市で初の開催となるB-リングスとの試合に臨んだが、残念ながら雨天中止となった。一方のサラマンダーズは、大分から移動してきた香川を藤崎台に迎え、5対3で勝利を収めている。

 交流戦は、25日まで対戦相手を変えながら行われる。今日13日からは、B-リングスがメイン本拠の大分市の別大興産スタジアムで琉球との2連戦を行う。琉球はその後、再び熊本に戻り、週末にかけてサラマンダーズとの3連戦を行うが、18日日曜の試合は琉球の主催試合として実施される。

 ちなみに公式戦は、これまで4回戦まで消化。サラマンダーズが4連勝とB-リングスを圧倒している。これまでの戦いぶりをみていると、社会人実業団チーム、熊本ゴールデンラークスを母体にプロ化したサラマンダーズに比べ、他の独立リーグからの移籍者の目立つB-リングスの選手層の薄さが目立つ。B-リングスには5月にはドミニカ人助っ人が合流する予定らしいが、公式戦が再開される今月末までには、戦力を整えたいところだ。

(写真はすべて筆者撮影)

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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