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【卓球】平野美宇、伊藤美誠ともに5回戦を勝利

伊藤条太卓球コラムニスト
伊藤美誠(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

パリ五輪シングルス代表選考がかかった全日本卓球選手権大会(以下、全日本)。

シングルスの2枠目を争う平野美宇と伊藤美誠は、26日13時から行われた女子シングルス5回戦でともに勝利を収めた。

平野の相手はファイター、森さくら。2014年には全日本の決勝(相手は石川佳純)まで進み、同年の世界選手権にも出場した実力者だ。

平野は森の猛攻に苦しみ、第6ゲームは10-9からジュースに追いつかれたが、最後はフォアハンドを2本連続で決めて難敵を4-2で振り切った。

善戦した森さくら
善戦した森さくら写真:松尾/アフロスポーツ

一方の伊藤の相手は超絶変則卓球の出澤杏佳。表ソフトという回転がかかり難いラバー(伊藤もバック面は同じく表ソフト)と、もう一方の面にはさらに回転のかからない粒高というラバーを使用。その珍しすぎるプレースタイルで、平野美宇などの優勝候補をたびたび奈落の底に突き落としてきた猛者だ。

伊藤をぎりぎりまで追い詰めた出澤杏佳(2021年アジア選手権代表選考会時)
伊藤をぎりぎりまで追い詰めた出澤杏佳(2021年アジア選手権代表選考会時)写真:長田洋平/アフロスポーツ

伊藤は出澤の無回転のボールと、ときおり放たれる理不尽なまでの無回転スマッシュに終始苦しめられ、最終ゲームまでもつれ込んだ。ところが最終ゲームはそれまでとは一転して序盤から7-1とワンサイドゲームに。ここ一番の底力を見せつけて五輪に望みをつないだ。

これによって、平野、伊藤ともに6回戦のベスト8決定戦にコマを進めた。大一番となる6回戦は同日15時から始まる。

卓球コラムニスト

1964年岩手県奥州市生まれ。中学1年から卓球を始め、高校時代に県ベスト8という微妙な戦績を残す。大学時代に卓球ネクラブームの逆風の中「これでもか」というほど卓球に打ち込む。東北大学工学部修士課程修了後、一般企業にて商品設計に従事するも、徐々に卓球への情熱が余り始め、なぜか卓球本の収集を始める。それがきっかけで2004年より専門誌『卓球王国』でコラムの執筆を開始。2018年からフリーとなり、執筆、講演活動に勤しむ。著書『ようこそ卓球地獄へ』『卓球語辞典』他。NHK、日本テレビ、TBS等メディア出演多数。

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