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39歳。仕事にやりがいは求めません。尊重し合える自立した女性と結婚したい~おみおじリポート(53)~

大宮冬洋フリーライター
カメラ好きの友人が撮影した1枚。生活と趣味に重きを置いた男性です(中西さん提供)

オンラインによって「距離」が消滅。婚活が新時代に突入しています

※2021年5月4日追記。中西さんはオネット活動開始から半年が経過し、自動退会となりました。残念ながらオネットでは良き縁をご紹介できることはできませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。お世話させてもらう独身者をオネット(大宮ネットワーク)会員として認定し、半年間限定で応援し、婚約を目指す活動です。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 初対面の人と直接顔を合わせて話したり食事したりすることが憚られる状況がいまだに続いていますよね。婚活は大幅に停滞するのでは、と心配していたのですが、多くの人がオンラインツールを使い始めたことで「距離を気にせずに会える」という新しい現象が起きています。

 我がオネットでも、飛行機や新幹線を使わなければ会いにくい距離にいる男女がオンラインでお見合いとデートをするケースが少なくありません。3回目ぐらいのデートでどちらかが相手のところまで遊びに行っています。遠距離での真剣交際に突入した人も現れました。

コロナ自粛中に婚約者の母親が入院。お見舞いを申し出たら破局が待っていた

 もちろん、新型コロナウイルスは悲劇も引き起こしています。このたび受けオネット会員になった中西直樹さん(仮名、39歳)は、今年の夏、婚約していた女性から別れを告げられたばかりです。

「気持ちのすれ違いが生じたのだと思いますが、直接的なきっかけは彼女の母親が緊急事態宣言の最中に怪我で入院したことです。私は『お見舞いに行こうか』と彼女に話しました。コロナ対応で断られることは承知の上です。心配していることを伝えることが大事だと思っていました。でも、彼女からは『こんな時期にお見舞いをしたいなんて非常識』と非難されてしまい、『そんな人との結婚は進められない』と言われてしまったのです」

 そんな彼女のことを責めるつもりはない、と言いつつも中西さんは眉間にしわを寄せて苦しそうな表情をしています。ショックのあまり寝つけないことが今でもあるそうです。可哀そうに……。

2人のお姉さんに可愛がられて育ったという中西さん。清潔感のあるお洒落さんです。(中西さん提供)
2人のお姉さんに可愛がられて育ったという中西さん。清潔感のあるお洒落さんです。(中西さん提供)

相手の心の準備ができて、距離が自然と縮まるまで待ってあげてください

 元婚約者との出会いは昨冬に参加した婚活パーティーで、3か月間の交際後に婚約して、さらに数か月後に破局を迎えました。なかなかスピーディですね。中西さん、ちょっと焦っているような印象です。

「30代半ばまでは結婚願望がありませんでした。他人の人生なんて背負えないと思っていたのです。ところが、この数年間は孤独に弱くなったなと我ながら思います。支え合って協力して生きていけるパートナーが欲しい、それは恋人では満たされない、と感じるようになりました。私が求める関係性は、結婚という形が適していると思っています」

 それはそうですけど、具体的にはどのような女性に心惹かれるのでしょうか。中西さんは独特なファッションセンスの持ち主なので、やはり趣味を共有できる人とか?

「私は趣味でサックスを吹き、音楽や読書が好きです。でも、趣味の一致なんてどうでもいい。大事なのは、ちゃんとコミュニケーションが取れることです。交際しているときもLINEで1日1回ぐらいは安否確認の挨拶を交わしたい。でも、婚活している女性はそれすら面倒臭がることが多いですよね。コミュニケーションを求めたことが理由で交際終了を告げられたこともあります……」

 ここでマチコ先生が口を開きました。コミュニケーションを密にしたい女性はむしろ多く、「面倒臭がる」のは中西さんとの距離を置きたい口実に過ぎない、という厳しめの指摘です。

「中西さんは真っすぐすぎるのです。相手の心の準備ができて、距離が自然と縮まるまで待ってあげてください。その前に緊密なコミュニケーションを求めると女性は怖くなって逃げたくなってしまいます」

お互いを尊重し、一緒に楽しく過ごしたい。もちろん、年上の女性でも大丈夫です

 中西さんはモゾモゾと反論を試みていましたが、2日後には「その通りでした。アドバイスにとても感謝しています」というメールをくれました。ちょっと面倒臭い性格だけど、素直で心優しい男性なのです。

「自信がないように思われることもあります。でも、自分の価値は自分で決めるもので、他人と比較して威張ったりするものではありません。あまりに自信満々の人がいたりすると『粗暴だな』と感じてしまいます」

 他人と比較しないと言った直後に自信満々な人を「粗暴」と表現してしまう中西さん。抜けてるなあ。不思議な愛嬌を感じます。

 そんな中西さんはIT関連会社で正社員です。職場の人間関係も良く、不満はないとのこと。

「私は仕事にやりがいは求めないタイプなので、これからも淡々と働き、生活を充実させたいと考えています。私の収入では女性を一方的に養うことはできません。男性に尽くすタイプではなく、自立している女性がいいと思っています。もちろん、年上でも大丈夫です。お互いを尊重し、一緒に楽しく過ごせるような結婚生活をしたいと思います」

 甲斐性という言葉はまったく似合わない中西さん。いわゆる弟キャラなのだと思います。ただし、相手に依存することはなさそうです。自分のやりたいことがしっかりある、実力派の女性との相性が良さそうだな、と僕は感じています。

中西さんは洗濯好き。「きれいに干し終わると達成感があります」(中西さん提供)
中西さんは洗濯好き。「きれいに干し終わると達成感があります」(中西さん提供)

※文中のオネット会員は仮名です。中西さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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