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「いつ人が来ても大丈夫なリビング」より「15分でざっくり片づくリビング」をめざした方がいい理由

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

「いつ人が来ても大丈夫な家」にしてみたいと思う人は多いです。しかし、それはなかなか難しいものです。

そこで、今日は家の中心でもあるリビングをいつ人が来ても大丈夫にすることについて考えてみようと思います。

現代のリビングは片づけにくくなっている

私の小さい頃は、リビングにあるテレビを中心に家族が集まっていました。娯楽もテレビやビデオ、テレビゲームが中心で、自然と家族がリビングに集まり、時にはチャンネル争いなども起こっていました。

しかし、今はどうでしょう。

リビングでは、仕事、パソコン、オンラインミーティング、宿題、遊び、ヨガ、スマホなど家族それぞれが各自色々なことをし、リビングが「家族がくつろぐ場所」から「多機能的な場所」になっています。

それは、家族それぞれのすることに必要なモノが、あちこちから集まってくるということで、とても散らかりやすく、片づけが大変な状態であるということです。

現代のリビングをいつもキレイに整えるのは、①適度なモノの量と収納量②考え抜いたモノの指定席③指定席にモノを戻す作業が必要になり、結構大変なことなのです。

「いつ人が来ても大丈夫」って無理じゃないか?

よく「理想はホテルみたいな家」とか「いつ人が来ても大丈夫な家にしたい」という言葉を聞きます。

以前私が書いた記事、「いつ人が来ても大丈夫な家」の住人がしている3つのシンプルなことを多くの方に読んでいただき、みなさんの関心の高さを知ることができました。

しかし現状を考えると「いつ人が来ても大丈夫」にするのはなかなか難しい家庭が多いのではないでしょうか。

頻繁に来客がある家庭ならよいですが、そうでないのであれば、来客よりもその家でほぼ365日を過ごす自分や家族の快適を考えたほうがストレスがないだろうと思います。

「15分でざっくり片づく」くらいがちょうどいい

これだけSNSでだれかの美しく整った暮らしを目にするようになると、どうしても美しさ、キレイさ、おしゃれさに目が向き、それができるひとがすごくて、できない人が悪いようなイメージを持ってしまいます。

しかし現実は、そんなに簡単にいくわけはないので、そこを無理してめざす必要はありません。「いつ人が来てもよい準備」と言うのは、プレッシャーがかかるのです。

だからいつもキレイじゃなくても、何かあったときに15分くらいでざっくり片づけば十分合格ではないでしょうか。

「15分で片づく」をめざすと見えてくること

「15分」という時間はあっという間に経ちます。

例えばリビングを15分で片づくようにするためには

●リビングに置いていいモノを選ぶ
●すべてのモノの指定席を決める
●一人一つの収納ボックス(スペース)を持ち、各自が管理する
●収納は7割くらいで収まるようにする…など

このようなことが必要なのですが、わかっていてもなかなかできないものです。

しかしこの15分というのがとてもいい目安で、完璧にはできませんが、集中力は続き、ざっくり見た目を整えることは十分可能です。

実際に15分で片づけることをイメージすると

●さすがにこのモノの量は無理…
●そもそもしまう場所がない…、しまう場所が遠い
●どこに収納するかを探す時間が結構かかる
●そもそも家族の一人が少しでも普段から協力してくれれば可能になるかも?

と言うようなことが見えて、モノを減らしてみる、収納を考え直してみるなどの具体的な行動につながるかもしれません。

大切なのはバランスである

いつもキレイな方が気持ちがいいけど、いつもそうである必要はありません。

散らかることはあってもよくて、散らかしっぱなしではなく少し動けば片づくというバランスがとれていれば十分です。

そのためにも、「いつ人が来てもいいように」と言うような非現実的目標ではなく、朝家族が出発した後、出かける前、寝る前など普段の生活の中で「15分で片づく」ことを意識してみるとよいのではないでしょうか。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。2012年整理収納アドバイザー1級。CTB生放送102回9年間出演。セミナー回数100回、受講生2000人以上で片づけの概念が変わると高い評価を受けている。

長男との片づけバトルを通し、まず好きなモノを「選ぶ」ことが片づけには大事だと実感。

現在は片づけに興味があるなし関係なく、自分の人生をよりよくしたい人向けに、モノを選び残す楽しさと選ぶことにより暮らしが充実することを発信し、人それぞれが「自分の選ぶ」を楽しむ時代を作るため活動の幅を広げている。

二男二女の母、決してマメではないため「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」をいつも意識している。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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