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この本塁打王の「初球ホームラン」には、我慢できない切実な理由があった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)May 10, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、20本のホームランを打っている。この本数は、両リーグで最も多い。4年ぶり2度目の本塁打王となる可能性も、低くなさそうだ。(「本塁打トップ2は、どちらも4年前の本塁打王。ただ、過去3年の本数は2倍近く違い…」)。

 そのうちの6本、3分の1近いホームランは、初球を捉えている。シーズン全体の打率は.243、ホームランのペースは10.1打数/本だが、初球に限ると、打率.320と4.2打数/本だ。

 ただ、5月10日にハンター・グリーン(シンシナティ・レッズ)の初球を弾き返したホームランには、他の初球ホームランとは違う理由があったらしい。

 ポッドキャストの「ファウル・テリトリー」に出演したアロンゾは、こう語っている。

「試合前のコーヒーを飲むタイミングをミスった。試合に近すぎた」

「2回表に打席が回ってきた。このイニングの先頭打者だった。自分に言ったんだ、どんな球でもいい、初球でこの打席を終わらせよう、行かなきゃならない、って」

「ホームを踏んだら、バスルーム(トイレ)に直行した。ハイ・ファイブはなし。バスルームにまっしぐらさ」

 もしかすると、このエピソードは、事実ではなく、アロンゾによるジョークなのかもしれない。上の写真は、このホームランの直後だ。ハイ・ファイブを交わしている。もっとも、表情には余裕がないように、見えなくもない。

 なお、過去には、ホームランを打った選手ではなく、ホームランの打球がトイレに飛び込んだこともある。それについては、こちらで書いた。

「ブライス・ハーパーの本塁打が飛び込んだ先は……水に関わりがあるとはいえ、海でも川でもプールでもなく」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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