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ベーブ・ルース、ウィリー・メイズに続いてMLB史上3人目の大記録達成に迫る大谷翔平

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
MLB史上3人目となる年間50本塁打&10三塁打に迫る大谷翔平(写真:三尾圭)

 今季ここまで44本塁打を放って、シーズン50本塁打への期待が高まるエンゼルスの大谷翔平。50本塁打を打てば、日本人メジャーリーガーとしては初の快挙となるが、メジャーリーグの歴史の中では30人の選手が合計47度達成している。

 初めてシーズン50本塁打の壁を超えたのはベーブ・ルース(ニューヨーク・ヤンキース)で、1920年に54本塁打を記録。最も最近に50本以上のホームランを打ったのは、昨年のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)で、62本塁打を放ちアメリカン・リーグ新記録を樹立した。

 メジャーリーグでも50本塁打は特別視されており、名実ともに真のホームランヒッターとして認められる。

 今季の大谷は50本塁打だけでなく、もっと貴重な記録にも迫っている。

 それは、長いMLBの歴史の中でも僅か2度しか達成されていないシーズン50本塁打&10三塁打の同時達成だ。

 過去47度の50本塁打以上の中で、三塁打も二桁に達したのは、1921年のベーブ・ルースと、1955年のウィリー・メイズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だけ。

1921年 ルース 59本塁打、16三塁打

1955年 メイズ 51本塁打、13三塁打

2023年  大谷  44本塁打、8三塁打(131試合終了時点)

 ルースと言えばメジャーリーグの歴史でもトップクラスの選手だし、通算660本塁打のメイズは日本での知名度こそルースに劣るが、実績ではルースに肩を並べる名選手。

 通算WAR(rWAR)では、182.6のルースがメジャー歴代ナンバー1であり、メイズは156.1で打者としては歴代3位。(打者2位は162.8のバリー・ボンズ)

 メジャーの歴史に名を刻んでいるルースとメイズしか達成していない大記録に仲間入りできるのは、大谷にとって大きな名誉となる。

 エンゼルスが131試合を終えた時点で、大谷は44本塁打、8三塁打を記録しており、このペースを保てば162試合では54本塁打、10三塁打となる。

 大谷にとっての壁は50本塁打よりも、10三塁打。厳密には、今季のペースだと9.89三塁打で、計算上は10三塁打には到達していない。

 過去にも50本塁打以上を記録しながら、9三塁打で終わったケースが3回ある。ジミー・フォックスは1932年と38年の2度、あと1三塁打で記録達成まで迫り、ルースも1920年には54本塁打、9三塁打だった。

 大谷の月別三塁打数は、4、5、8月は1本ずつだが、6月に3本、7月も2本打っている。

 ホームでは3三塁打、アウェイでは5三塁打と敵地での方が多いので、9月の遠征試合が鍵となりそうだ。エンゼルスの9月の遠征先は、オークランド、シアトル、タンパ、ミネソタの4都市。

 今季の球場別三塁打の数値では、ミネソタのターゲット・フィールドがMLB8位で、MLB平均より25%も三塁打が多い。タンパのトロピカーナ・フィールドが24%、オークランド・コロシアムは21%、本拠地のエンゼル・スタジアムも16%と三塁打の出やすい球場での試合が多いのは、大谷にとって好材料。

 今季の残り試合は、大谷のホームランだけでなく、三塁打にも注目して欲しい。

MLB歴代3人目の快挙となる50本塁打、10三塁打に迫っている大谷翔平(写真:三尾圭)
MLB歴代3人目の快挙となる50本塁打、10三塁打に迫っている大谷翔平(写真:三尾圭)

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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