あなたは「話しかけにくい人」ですか?話しかけられやすい人になる極意は〝雲を眺めよ〟
前回記事(恋も仕事も「おお!」から 〝おお!っとグッズ〟で話しかけると運命も変わる!)を読んでドリルを実践しましたか。グッズを持って出歩くと、だれかに話しかけてもらいたくなります。そこで今回は「話しかけられやすくなろう」をテーマに。
わたしは話しかけられやすい人だろうか?
ふと、私は話しかけられやすい人だろうか?と思うことがあります。
路上で「ここらに和食屋がありませんか」と尋ねられました。見回すと道路の向こう側にうどん屋あり。「あれかな?」「ありがとうー」と感謝された。市役所では窓口が混雑中。並んでいると前の人が振り返って私にこう言った。「XXXちゃん、いつまでも元気だねー」一瞬私はポカン。その人の視線は、待合スペースにあるテレビのタレントに向けられていました。しばし芸能人の消息談義を雑談。
人はだれに話しかけようとするのでしょうか?
その場かぎりなら穏やかな感じの人、反応してくれそうな人でしょうか。何かを相談するなら、答えを知ってそうな人、頼りになりそうな人。反対に「話しかけるのはちょっと…」という人は仏頂面の人、周囲に無関心な人、話しかけると面倒になりそうな人など。人が装備する「話しかける相手選びの触覚」はけっこう鋭いのです。
自分が話しかけられやすいかどうかをチェックする方法を考えてみました。
話しかけられやすさの評価法
アメリカの心理学者が開発した対人関係の評価法があります。
この評価法では、まず二人(以上)の組をつくり、「自分はこういう人だ」という自己評価を最も表すことばを〝形容詞のプール〟(たとえば「適応力がある」「自信がある」「フレンドリー」「内向的である」…など20個以上)から選ぶ。同様に相手のことも選ぶ。そして自己評価と他者評価を比べて、選んだ形容詞が自分も他者も一致すれば「イメージ通りの自己」、異なれば「隠された自己/気づかない自己」であるとされ、職種のギャップを知るテストなどに使われています。
この評価法を応用して、「話しかけやすい/にくい」「話しかけられやすい/にくい」を示す用語のプールを作り、自己と他者の視点から「話しかけやすさ評価」をします。「自分が知っている自分」と「相手が知っている自分」をコミュニケーションの視点からあぶりだすのです。
評価テストなんてしなくても、自分のとっつきにくさをなんとかしたいと思っている人もいるでしょう。そういう方に助言があります。
「隙をつくる」ことです。
抜け感のある人になる方法とは
並の武芸者は隙のない姿勢で相手を威圧します。達人レベルになると隙がありそうで実は無いと悟らせます。どちらも相手を圧倒するためです。話しかけにくい人にもどこか威圧感があり、完璧主義で、心に防具をまとっています。つまり隙がないのです。いや隙をつくらないようにしています。
話しかけられやすい人はその逆で、威圧感なし、防具なし、隙間だらけ。隙は「抜け」とも言えます。ファッションでいう抜け(ラフだがきちんとしている)に近く、「ふわっと心が抜けている」状態です。どこか抜けているけど、何も考えていないわけじゃない。高みからすべてを見て、何が起きているか実は悟っている。さらに人の話が入るうつわが心の中にあるので話しかけられやすいのです。
そういう「抜け感のある人」を体現する人物を紹介しましょう。
ジョージ秋山の漫画『浮浪雲(はぐれぐも)』の主人公雲(くも)です。女と見ると老若美醜見境なく「あちきと遊ばない?」と話しかける奔放な自由人。根底には人を肩書きや身分で区別しない人間平等の精神があります。だから人びとが寄ってきます。雲のような「心の抜け感のある人」になるには、どうすればいいのでしょうか?
それは「雲を眺めること」、これが今回の〝誰もが日常でできる話しかけドリル〟です。
人は空に向かって話しかけて元気をもらったり、叫んだり、涙を流したりしますよね。空はすべてを受け止めてくれるからです。空をただよう雲は、あなたの問いかけも嘆きも涙も感謝も、ふんわりとすべて飲みこんでくれます。いつも雲を眺めて、雲のようにふわっと話しかけられやすい人になろうという思いを空に上げてください。スマホ首も治りますよ!
ことばのデザイナー/りり〜郷の〝話しかけて心をあげる〟コラムは毎週日曜早朝に掲載(体調崩れがちなので常に予定です)。話しかけドリルで話しかけ力をアップ。話しかけて自分も社会も明るくしよう。