知ってた?眠くなると赤ちゃんの手足が暖かくなる理由
「赤ちゃんは眠くなると手足があたたかくなる」と聞いたことがある方は多いはず。でもそれはなぜか、理由を知っていますか?
「手足があたたかくなってきたら寝かしつけのタイミング?」
「眠くさせるためには手足をあたためたらいい?」
と聞かれることがよくあります。
実はこれ、意外と勘違いしている方が多いことなのです。
手足が暖かい=眠い、ということは手足を温めればいい!というのは誤解。それをすると反対に眠りを邪魔してしまいかねません。
これが誤解である理由と、スッと眠ってくれるようになる寝かしつけのコツをご紹介します。
手足が暖かくなるのは「放熱」するため
赤ちゃんが手足があたたかくなるのは、眠るために放熱するからです。
ヒトは体温が下がると眠くなるようにできています。雪山で遭難した人たちが眠くなってしまって「寝るな!寝たら死ぬぞ!」という映画のワンシーン、イメージできる方も多いかなと思います。まさにあれは、体温が下がって眠くなってしまっている状況(その状況で寝てしまうと、さらに体温が下がって低体温になってしまいかねないため、そのような声がけをしているシーンとなります)。
つまり眠るためには、体温を下げる必要があるのです。
だから、温めてしまっては逆効果。
赤ちゃんはまだ体温調節機能が未熟です。体温を下げるために、手のひらや足の裏を使います。手のひらや足の裏は赤ちゃんにとって大事な体温調節器官で、そこに身体の熱を集め放熱し身体の深部体温を下げていきます。
だから赤ちゃんは眠くなると手足があたたかくなるのです。
手袋をしたり、靴下をはいたりして温めると放熱できず逆に眠れなくなってしまいます。
スムーズな寝かしつけのコツ
先にご説明した通り、体温が下がってくると眠気がやってくる、という人間の仕組みがあります。
これを日常生活の中でうまく使うために大事なのが「お風呂」です。お風呂に入ると体温が上がり、入浴後は自然の流れで体温が元の温度に下がっていきます。この下がってくる流れを使ってそのまま布団に入ると、更に大きく体温が下がって眠りやすくなるのです。
反対に、お風呂上がりの体温が上がっている状態でお布団へいってしまうとなかなか眠れません。私が赤ちゃんの寝かしつけのご相談に乗らせていただく中でも多いのがこのパターンです。
風邪をひかせないように…と急いで服を着せて部屋に連れて行っても、ギャン泣きして寝てくれない。そんな状況のときは、ためしに放熱時間を作ってみることをおすすめします。我が家の2歳の息子は、お風呂上がりはしばらくオムツとタンクトップのみで過ごしています。
このお風呂の効果も利用しつつ、スムーズに寝かせるためのルーティーンは下記の動画でご紹介しています。
おまけ・靴下はかせなくてかわいそう問題
また、冬に裸足で過ごしていると「靴下はかせないの?足が冷えてかわいそう…」と言われることがあるかもしれません。しかし室内では冬でも基本的に靴下は不要です。
それには2つの理由があります。
1つ目は、子どもは足の裏を使って体温調節しているためです。これは先に解説した通りですね。
2つ目の理由は足の発達のためです。「足育」という言葉も聞かれたりしますが、足の指を使って地面をきゅっと握って歩く、しっかり踏みしめて歩く、というのが足の成長や感覚発達のためにとても大切だからです。
靴下をはいていると滑って危ないですし、裸足で地面を掴んで歩くような感覚が養われにくくなってしまいます。
そういった理由がありますので冬でも室内は裸足で過ごしてOK!親世代とは認識の相違があったりしますが、「最近ではこう言われているんだって」と最新情報を伝えてみてくださいね。