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添い寝派?一人でねんね派?赤ちゃんの発達に良い方法を専門家が解説

ねんねママ(和氣春花)乳幼児育児アドバイザー

赤ちゃんが産まれたご家庭で議論になりがちなのが寝かせ方。添い寝にするのか、ベビーベッドで寝かせるのか、親と同室に寝かせるのか別室に寝かせるのか。ご夫婦でも意見が分かれることもあるでしょう。

今回の記事では世界で行われている研究をもとに「子どもにとって」そして「親にとって」の視点で、添い寝と1人寝のメリット・デメリットを解説していきます。

同室・別室どちらが良い?

赤ちゃんと同じ部屋に寝るか、別々の部屋に寝るかという問題。

日本では同室が主流ですが、欧米では生まれたばかりの頃から別室に寝る文化がある国もあります。

これに対してアメリカの小児科学会は「少なくとも6ヶ月までは同室を推奨」としています。2〜6ヶ月までは乳幼児突然死症候群のリスクが高い時期とされているため、異変があった場合すぐに気づけるためにも同室に寝ておくことを推奨します。

知っておきたいもう1つのポイントして、このアメリカ小児科学会のガイドラインで「同室で別の寝床」という記載がされていることです。

寝床を別にするというのは、つまり同じベッドに寝ないということです。

大人用の布団はまだ筋肉や骨が発達しきっていない赤ちゃんにとっては、動きづらかったり発達の妨げになることも考えられます。

布団を並べて寝る場合も別の布団を用意して、赤ちゃんは赤ちゃん用の別の布団に寝かせるようにしましょう。

添い寝が良い?1人寝が良い?

私が普段、お子さんの睡眠に関するご相談にのっている中では「添い寝をするとよく寝てくれる」という声をいただくことは多いです。

親が隣にいる安心感から、夜泣きをせずに(夜中に起きたとしても親の存在を確認して安心して)寝てくれるのでしょう。

お子さんの寝息を感じて幸せに感じるという方もいらっしゃいます。いつまでも隣に寝てくれるとも限らないので、この大事な期間を思う存分味わっておきたい!という気持ちもよくわかります。

一方で、添い寝にはデメリットもあるので注意が必要です。

①SIDS(乳幼児突然死症候群)、窒息のリスクが上がる

添い寝の大きなデメリットは安全性に欠けるところです。毛布や掛け布団がかかってしまう恐れがあることによる窒息リスク、親子の体温同士が伝わって温かくなりやすいことがSIDSのリスクになってしまいます。

②夜間覚醒が起こりやすい

添い寝の方が夜中に何回も起こされてしまう確率が高いです。その原因はママやパパが横にいることが習慣化し、いないことに気付くと夜泣きに繋がってしまうためです。

こうなると、親の睡眠が細切れになって、日中もイライラしやすくなったり心と体が疲れてしまうことにつながりやすくなります。

③睡眠の質の低下、睡眠不足

欧米に比べて、アジアの子どもは睡眠時間が短いという国際調査があり、その原因の一つとして添い寝の習慣が挙げられています。よくある例が親が一緒に寝ないといけないので全ての家事が終わってからでないと子どもも眠れず、睡眠時間が短くなりがちなことです。

結局どちらが良いのか?

最も大切なのは、安全であること。大切な赤ちゃんの命が守れること。

そういった観点ではアメリカ小児科学会のガイドラインに書かれている「部屋をシェアして寝床はシェアしないこと」は少なくとも生後6ヶ月まではお勧めします。

ベッドのシェアは転落や窒息などのリスクがあるため、ある程度大きくなる(1歳半ごろ)まではしないことをお勧めします。

そして、親子の絆を育むこと、子どもの心の発達に大切なのは親が穏やかな心でいられるかどうかです。

添い寝による夜泣き、睡眠不足、睡眠の質の低下という問題に親が疲弊していませんか?

添い寝をしていても幸せな気持ちでいられて、何の支障がなく親子ともに健康な生活が遅れていれば問題ありません。最大限に安全に配慮して添い寝を楽しんでほしいと思います。(※睡眠の専門家としての推奨は、月齢の低い0歳の間、リスクの高い時期は赤ちゃんと布団を離したり別の布団にするなどなるべくリスクヘッジできる体制での添い寝をおすすめします)。

ただ夜泣きに何回も起こされてイライラする、寝た気がしないなど、生活リズムの乱れで日中もイライラしがちである状態は心の結びつきを育むことからも遠ざかってしまいます。

子どもには1人で寝てもらい、親も睡眠を確保して日中笑顔で心の余裕をもてる方が子どもの発達にも良い効果をもたらしますよね。

メリットとデメリットを知った上でそれぞれのご家庭でのベストを考えてみてくださいね。

▼YouTube動画でも詳しく解説しています。

乳幼児育児アドバイザー

乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0-3歳モンテッソーリ教師。株式会社mominess代表。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは19万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある。

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