ベトナム、ラオスで高温の国内記録 東南アジアで続く熱波
6日(土)、東南アジアで続々と高温記録が生まれました。
まず、ベトナム北部で44.1度、ラオス北部では43.5度まで気温が上がりました。いずれも国内の観測史上最高気温とのことです。
さらに同日、タイの首都バンコクでは40.5度、ラオスの首都ヴィエンチャンでは42.5度となり、各都市の観測史上1位の記録となりました。これらの気温は、この時期の平均を5~10度も上回るものです。
また中国南部の海南島でも41.5度まで上がって、同島にとっての過去最高を記録したもようです。
暑すぎる東南アジア
東南アジアでは、先月から続々と高温記録が破られています。なかでも4月15日には、タイの観測史上最高気温となる45.4度が記録されました。タイで45度台の気温が出たのは、これが初めてのことです。
東南アジアにとって4月から5月というのは、1年でもっとも暑い時期です。そのあとはモンスーンが始まって、雨と曇天が暑さを和らげます。
しかし、たとえ今が一番暑いとはいえ、今年は厳しい暑さが長引いています。世界の気温に詳しい研究者ですら、「アジアの歴史上、4月としては最悪の熱波だ」と目を丸くしているほどです。
東南アジアではエルニーニョが起こると暑い夏になる傾向があるため、今後の暑さも心配されます。
早いうちから暑さに慣れる
東南アジアは、温暖化の影響をもっとも受けやすい地域の1つと言われています。
なぜかといえば、高温に高い湿度が加わるためです。タイ、ベトナムやフィリピンでの暑さ関連の死亡率は、1990年代と比べて61%も増加しているという研究もあります。
東南アジアに限らず、近年は日本でも熱中症による死者数が急増しています。その原因の1つとして、早い時期から厳しい暑さが始まるようになってきたことが挙げられます。現に今年は、4月から真夏日が続出しています。
身体が暑さに慣れていない春の高温は、秋の高温よりも多くの犠牲者をもたらします。暑さに慣れておくためにも、汗をたくさんかいて汗を出しやすくしておくとか、早いうちからクーラーを使い出すなど、早めの暑さ対策がより必要になってきます。