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博多ラーメンと家系ラーメンのハイブリッドを謳う〈福岡独自の進化を遂げた「豚骨醤油ラーメン」の注目株〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

現在の福岡では今でこそ、本場横浜と遜色のない味と言われている家系ラーメンを提供する、福岡市博多区大博町の人気店「壱壱家」や、横浜家系の総本山吉村家の直系という、同博多区博多駅前の「内田家」が、本場の味を求める人々から注目の的。その一方、まだ家系ラーメンの存在が知られていなかった時代の15年以上前から開業し、鶏油、ほうれん草、うずらの卵、海苔などが入った家系のニュアンスを最大限残しながら、醤油のしょっぱさを控えめにしたり、豚骨の強さや鶏油の甘さを強調したり、細ストレート麺を採用したりと「福岡らしい」独自の進化を遂げながら、地元の方々にも受け入れやすいスタイルを確立したお店もある。そんな草創期からの代表格のお店が、同博多区住吉の「入船食堂」であり、その後に続く同早良区西新(同南区大橋にもある)の、「海豚や」があり、福岡の家系ラーメンの先駆けとして(その名を名乗ることなく)地元のラーメンファンの間で、横浜のご当地「家系ラーメン」という存在を浸透させ、長きに渡り人気を博してきた功績のあるお店がその両店になる。

そんな先人たちの作り上げた流れの中で

家系らしさを残しながら、豚骨強めなスープに塩っぱくない醤油のカエシと鶏油の甘みとコッテリを加えた「福岡らしさもある」そんな一杯を提供する「博多ラーメンと家系ラーメンのハイブリッドを謳う」新たなお店がある。2022年に福岡県福岡市中央区清川で開業したばかりの「麺処一成 日赤通り総本店」がそれで、その2号店が今年(2024年)同博多区住吉の、かつて「Shin Shin 住吉店」があった場所に〈麺処一成 住吉店〉として開業し、まもなく半年を迎える。今回そのお店にはじめて訪問してみた。

釜炊き豚骨醤油ラーメンへのこだわり

この日、訪れたのは休日のお昼ちょうど。先客はテーブルとカウンターに2組ながら、後客が続々と来店するタイミング。入口券売機での選択は最上段左上の「釜炊き豚骨醤油ラーメン」「うずら」のトッピングを発券し、麺の種類は「ちぢれ麺」と「細ストレート麺」のいずれかを選べ「ストレート麺」を選択し、麺の硬さは「カタ」で注文した。

左手前のテーブル席に着席し、待つこと少々で配膳された一杯は、パッと見た目の印象は、博多ラーメンというよりも、やはり「家系ラーメン」の雰囲気。トッピングもネギ・うずら・ほうれん草・チャーシュー・海苔とまさにその特徴の通り。

ベースのスープは、ベーシックな豚骨のスープに、醤油の存在感が博多の豚骨ラーメンよりも強めに表現され、さらにたっぷりと入った鶏油の甘みと香りが加わることで、サラリとした福岡・博多の豚骨スープにコッテリとした要素を色濃く追加した印象に仕上がっていた。

ストレート麺とちぢれ麺から選べる

また麺は、一般的なコシの強めな中太麺の特徴とは違い、こちらも福岡・博多らしい馴染みのある細ストレート麺とちぢれ麺を採用。今回選択した細ストレート麺は、モッチリとしながらも歯切れのいい食感で、鶏油とスープが、麺にもよく絡んで相性も抜群によかった。

さらに、麺の硬さも選べ、替玉もあるという「博多ラーメンのスタイル」も踏襲。自身の中にある、味覚的な違和感もなく食べ進められた。

また卓上には無料の辛子高菜もあり、さらに博多色の強い印象だった。

家系定番の「白めし」とのセット

ランチタイムには家系定番の「白めし」や、半チャーハンとのお得なセットもあるので安心。また、まだ馴染みのないという方も多い福岡ですが、その入門的な取っ掛かりとして入りやすい一杯になっていますので機会があればお試しください。

麺処一成 住吉店

住所  :福岡県福岡市博多区住吉5-5-15[地図
営業時間:11時30分~25時00分[月〜土]
    :11時30分~23時30分[日曜日]※要確認
定休日 :火曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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