Yahoo!ニュース

新たな台風発生へ 9月は台風と秋雨前線で、全国的に雨多い予想

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧bの進路予想図(9月1日午後3時現在)、ウェザーマップ作画

 新たな台風の発生予想です。9月1日(日)午後3時現在、フィリピン付近にある熱帯低気圧は今後24時間以内に、台風となる見込みです。3日(火)頃、沖縄に近づくおそれがあります。

 9月は日本に上陸する台風が最も多い月で、これからが台風シーズンの本番です。まだまだ気が抜けません。

【月別】台風の上陸数グラフ(平年値)、筆者作成
【月別】台風の上陸数グラフ(平年値)、筆者作成

ラニーニャ現象と台風

 もうひとつ気がかりなのが近々、ラニーニャ現象が発生することです。ラニーニャ現象とは南米ペルー沖の海面水温が低くなる一方で、太平洋熱帯域西部の海面水温が高くなる現象です。

【気象衛星ひまわりの雲画像】9月1日午前9時、日本のはるか南では台風の発生につながる雲域が見られる(赤線で囲った部分)、ウェザーマップ作画、筆者加工
【気象衛星ひまわりの雲画像】9月1日午前9時、日本のはるか南では台風の発生につながる雲域が見られる(赤線で囲った部分)、ウェザーマップ作画、筆者加工

 ラニーニャ現象と季節的な対流活動が重なると台風の発生が続く可能性があります。

 9月も日本のはるか南では熱帯低気圧や台風の発生につながる雲域が多くなるでしょう。

 そして、本州付近には秋雨前線が停滞するため、全国的に降水量が多くなる見込みです。

【9月の予想天気図】ウェザーマップ作画、筆者加工
【9月の予想天気図】ウェザーマップ作画、筆者加工

向こう1か月間の降水量の予想、ウェザーマップ作画
向こう1か月間の降水量の予想、ウェザーマップ作画

東京は約30年ぶりの多雨

 この夏(6月~8月)の東京はとにかく雨が多い。夏の降水量は937.5ミリと1993年以来の記録的な多雨です。今年残り4か月を待たずに、平年の年間降水量に達しました。

 干天の慈雨ならばいいのですが、そろそろ普通に戻って欲しいものです。

【東京】夏の降水量(6月~8月)多いランキング、筆者作成
【東京】夏の降水量(6月~8月)多いランキング、筆者作成

【参考資料】

気象庁:1か月予報(8/31~9/30)、2024年8月29日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

片山由紀子の最近の記事