創業70年近い歴史を誇る古き良き豚骨ラーメン店〈毎朝8時に開店する“ドライバーさん御用達”の老舗店〉
福岡県福岡市東区東浜。福岡・博多の埠頭が集中しているエリアの一角にある「東浜埠頭」。建築資材やLPGなどを取り扱う物流の拠点になっているエリアのため積荷を運ぶトレーラーやトラックが埠頭内を行き来し、ひしめき合っている場所であり、福岡都市高速1号香椎線の東浜インターチェンジのすぐそばという立地で利便性の高い場所でもある。そんな「東浜埠頭」エリアの入口付近に古びた感じではあるものの朱色の目立つ外観で、通称「東浜ラーメン」と呼ばれるお店がポツンと存在する。店頭に掲げる店名は長浜ラーメンならぬ〈東浜ラーメン 服部商店〉。東浜という地名に因んだ名前の昔ながらの商店だ。
長い歴史を誇る老舗の豚骨ラーメン店
毎朝8時に開店するドライバーさん御用達の貴重な豚骨ラーメン専門店。近隣には飲食店がほとんど存在しない大きな通り沿いにポツンとある一軒屋。1955年(昭和30年)創業というから来年には70周年を迎える歴史ある老舗の商店になる。店舗自体もレトロな佇まいの外観と内観で昭和時代を感じさせる。
シンプルなメニューのラーメン専門店
メニューは「ラーメン、ごはん、替玉」の3つという、シンプルな構成のラーメン専門店。この日も朝一番の8時ちょうどに訪問し、L字型のカウンターの中央あたりに席を取り「大盛ラーメン」を注文。ここだけゆっくりとした時間が流れているような錯覚を覚える無音の店内。待つこと少々で配膳された一杯は、乳白色のクリーミー且つまろやかな逸品で、甘さとともに塩味も感じられる甘じょっぱさのある豚骨スープ。
麺は一般的な博多ラーメンの細ストレート麺とは違い、少し角のあるモッチリとした食感のやや太めな中細ストレート麺。トロミのあるスープをしっかりと受け止めてくれて相性も抜群。
トッピングは、しっかり味のついたチャーシューとネギのみというシンプルな構成。スープの味の輪郭がはっきりしているのでサイドメニューの「ごはん」をお供にする人が多いのも頷ける組み合わせ。
シンプルだけど頭の片隅に残る存在感
今どきの洗練された豚骨ラーメンとは一線を画す、昔懐かしいタイプのシンプルな佇まいの豚骨ラーメン。また「朝ラーメン」という括りでも、長浜系のあっさりとしたタイプとは違い、ここだけの個性が光る意外と頭の片隅に残る存在感のある一杯で自身もこの味の虜に一時期なってしまった経験があり特に地元の人たちには受け入れやすい味だと思われる。
メニューは以下の5つだけで次の通り。ベーシックな「ラーメン」が750円。「大盛ラーメン」が850円、「替玉」が150円、「ごはん(小)」100円、「ごはん(大)」150円という、とてもシンプルな構成。
素朴で懐かしいという表現がよく似合う
近年の福岡は、都心部にあるお店は(豚骨ラーメン特有の匂いがほとんどしない)洗練された印象のお店が多くなり、郊外のラーメン店のほうが、素朴で昔懐かしい「臭くて旨い」イニシエ系を意識した自由度の高い味や香りを楽しめるお店が多くなってきた。そんな中、福岡市東区の箱崎、馬出、東浜エリアは、あらためてラーメン店の数が多い地域だと実感。しかも昔懐かしいお店や非豚骨の新しいお店が混在したエリアにもなりつつある。そんなエリアの中で、昔ながらの個性ある存在の〈東浜ラーメン 服部商店〉のような、老舗店が、もっと注目を浴びてもいいのではないだろうか。
最寄りの駅は、福岡市営地下鉄の「箱崎宮前駅」。そこから西の海岸の方向へ進み、馬出4丁目交差点のファミリーマートの角をさらに西へ向かうと、通称:東浜ラーメン〈服部商店〉が存在する。場所的には倉庫や物流系の企業などが多い場所で、その近隣の関係者の方々で朝から昼にかけて賑わっているお店。もしご興味や機会があればご訪問ください。
東浜ラーメン 服部商店
住所 :福岡県福岡市東区東浜1-5-13[地図]
営業時間:8時00分~15時00分
定休日 :日曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣に有料駐車場あり