秋冬の洗濯は温水洗いが効果的!洗浄力アップの理由と注意したい3つのポイントを洗濯研究家が解説
洗濯研究家の平島利恵です。寒さが増す秋冬は、洗濯に使う水の温度が低くなるため、汚れ落ちが悪くなるとご存知でしたか?水温が下がる秋冬は、洗濯に「お湯」を使うと洗浄力が高まり、衣類をより清潔に洗うことができるんです。今回は、洗濯にお湯を使うメリットとその効果、また使用時の注意点について解説します。
お湯洗濯をおすすめする3つの理由
洗剤がしっかり溶け、洗浄力が最大限に
洗剤は温水で溶けやすく、洗浄液が洗濯槽に均一に行き渡るため、ムラなく衣類を洗うことができます。冷水では溶け残りやすい粉末洗剤も温水で溶けやすくなり、洗浄効果がしっかり発揮されます。
皮脂汚れや黄ばみが落ちやすい
皮脂や汗による黄ばみは、30~40度の温水で洗うと繊維の奥から溶け出し、落ちやすくなります。特に臭いが気になる服はお湯で洗ってみるのが◎
生乾き臭の予防
お湯を使うことで、菌やカビが洗濯槽や衣類に残るリスクを減らし、より清潔に洗うことができます。特に、部屋干しで生乾き臭が気になる秋冬は、洗濯時に衣類の雑菌残りを減らすことが大切です。
お湯を使ってはいけないケースと注意点
お湯洗いにはメリットが多いものの、全ての衣類や素材に向いているわけではありません。以下の注意点を参考に、お湯を使うときのリスクを避けましょう。
デリケートな素材には注意
ウールやシルクなどの天然素材や、おしゃれ着、伸縮性のあるスポーツウェアは、温水で縮みやすくなるため避けたほうが無難です。また、ラミネート加工などが施された衣類も、お湯によって機能が低下する可能性があります。
色落ちしやすい衣類
濃い色や染色が弱い衣類は、温水で色落ちするリスクがあるため、洗濯表示を確認の上、温水を使うかどうか判断しましょう。色落ちが心配な衣類は、冷水での洗濯が安全です。
洗濯表示の確認が重要
洗濯表示の桶マークの数字が「30」のものは、温水洗濯に適していません。温水を使うと、衣類が傷んだり、色落ち・型崩れのリスクがあります。
正しい温水洗濯の3つのポイント
温度を30〜40度に保つ
お湯の温度が高すぎると繊維が傷むことがあります。適温は30〜40度ほどに保ち、汚れをしっかり落としつつ、衣類を守りましょう。
汚れが強い部分に浸け置き洗いをプラス
襟や袖口などの汚れがひどい部分や全体的な黒ずみ・蓄積汚れは、洗濯前に30分~1時間ほどお湯でのつけ置き洗いをプラスしましょう。
風呂の残り湯は使わない
おふろの残り湯には、皮脂やアカ、雑菌が含まれています。細菌は一晩で数千倍に増えるという調査結果もあるので、清潔な洗濯という観点ではお風呂のお湯の使用は推奨しません。
温水洗い機能がない場合は、お風呂のお湯取りホースを使って清潔なお湯を給水しましょう。すすぎには水を使用します。
寒くなる季節には、洗濯時に適切なお湯を使うことで、衣類を清潔に保ちながらも、汚れ落ちや臭いケアがスムーズに行えます。素材や洗濯表示に注意しつつ、お湯と冷水を使い分けることで、効率的な秋冬の洗濯を楽しんでくださいね。