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芸人の「涙」で振り返る2021年

てれびのスキマライター。テレビっ子
(提供:イメージマート)

2021年のテレビバラエティを振り返ると、芸人(特にあまり泣く姿を見せない人)が涙を流したシーンが例年よりも多かったのではないかと思います。

いまバラエティはリアル志向が強まり、「本音を語る」ことが求められる傾向にありますが、涙のシーンが多くなったのもその延長線上に出てきたものではないかと思います。単に本音を言うから涙が出るというだけでなく、「芸人はかくあるべし」といった考え方が変わってきたことも一因なのかもしれません。ずっと芸人が本音や裏側を語るのは野暮だと言われていましたし、ましてや涙を見せるのなんてもってのほかでした。けれど、そういうタブー感が薄まってきたのではないかと。

とは言っても「芸人は決して涙を見せてはならない」という美学は、いまも多くの芸人が持っているものだと思います。だからこそ、それが思わず崩れてしまった場面はインパクトがあります。

そんなシーンを10本厳選し、2021年のテレビバラエティを振り返ってみたいと思います。

■イノマーの壮絶な最期に涙ぐむ矢作(テレビ東京『家、ついて行ってイイですか?』1月6日)

2021年は、年始早々で年間ベスト級の番組が放送された。それが『家、ついて行ってイイですか?』4時間半SPの最後に流れた上出遼平による「オナニーマシーン」イノマーのドキュメンタリー。癌の闘病生活からその死まで密着され、ボロボロの状態で、ライブに出演し絶唱する姿はあまりにも感動的で、それを見るおぎやはぎ・矢作も当然のように涙ぐんでいた。そんなVTRのライブシーンにイノマーと親交のあった空気階段・鈴木もぐらが映り込んでいいたのも2021年の活躍を暗示しているようだった。

■ザコシショウの父性あふれる姿に麒麟・川島が涙(フジテレビ『オリジナルラフ』5月7日) 

困っている人のために、芸人がその人のためだけのネタを作り解決するという企画。「すぐに緊張してしまう5歳の娘に人前に出る勇気をつけてあげてほしい」という依頼を受けたのはザコシショウ。「おじさんも5歳くらいのときはそうだった。7歳か8歳くらいの時にお笑い芸人になりたいと思ったの。そこから人前でも話せるようになった」などと優しい眼差しで肯定感あふれる言葉を丁寧に投げかけるザコシショウにだんだんと心を開き打ち解ける女の子。スタジオで見ている風間俊介が「2人が歩いてる姿が映画『パーフェクトワールド』みたい」と言えうように映画のような美しい光景だった。

人前での初めてのソロダンス発表を前に、彼女を勇気づけるためにネタを披露。最初は口を開け呆然と見ていた彼女だったが、「誇張した福山雅治(メガネバージョン)」で笑顔が溢れる。ザコシが“福山メガネ”をプレゼントするとお母さんと一緒にはしゃぎながらやる姿が可愛らしい。お別れのシーンでは「またね」「バイバイ」と繰り返す女の子。振り返りながらその場を後にするザコシの姿は父親のそれだった。

そんなVTRを見て「まさかザコシのロケで泣くとは……。ザコシの距離感が良かった」と涙を落としたのは『ラヴィット』(TBS)などの活躍で「2021年の顔」ともいえる麒麟・川島。

そんな川島は12月30日の『アメトーーク』年末SP(テレビ朝日)での「アメトーーク大賞」でも「あなたにとって今年は飛躍した1年となりました。2021年、麒麟が来ました」「呼ばれる番組で常に仕上げて結果を出し続け、業界内に評判が伝わり今や各局で引っ張りだこ」などと評され大賞を受賞し、「相方がブレイクした私に仕事がないときにアメトーークさんだけが1人でトークで呼んでいただいて……」と涙を流した。

■涙のキョコロヒーと泣かない齊藤京子(テレビ朝日『キョコロヒー』8月5日)

2021年は阿佐ヶ谷姉妹、ぼる塾、Aマッソなど女性芸人の活躍が目立った年だった。中でもヒコロヒーの躍進はスゴかった。

4月から「バラバラ大作戦」の枠で始まった日向坂46・齊藤京子と組んだ『キョコロヒー』は、早くも10月には24時台に昇格。

そのきっかけになったのが「バラバラ総選挙」で1位になったこと。ヒコロヒーと齊藤京子はそれぞれ別にサプライズ報告を受け、ヒコロヒーは涙ぐむ。意外とヒコロヒーは感激屋は涙もろく、『かまいガチ』(テレビ朝日)の「下積みメシ」第2弾(12月18日)でも自らが作った下積みメシの味に当時の心境を思い出し泣いていた。

涙ぐむヒコロヒーに対し、ずっと笑顔だった齊藤京子。対称的な2人だが「涙をこらえていた」と主張する齊藤。「私、涙こらえてるときとか、感情を爆発させるときって逆の感じになるんですよ。だから誰にも気づかれない」と。一番泣きそうだったという箇所をVTRで再検証するも、一切涙はなく満面の笑み。

『キョコロヒー』は常に素っ頓狂な齊藤京子の言動に「……」となるヒコロヒーというチグハグな構図が面白い。

■フジモン、雨上がり決死隊解散に涙の訴え(ABEMA『「アメトーーク」特別編』8月17日)

雨上がり決死隊解散報告会。冒頭「気持ちにズレが生じ」「今年の4月、僕の方から解散しようと切り出しました」と語る蛍原。スタジオのゲストは東野幸治、ケンドーコバヤシ、出川哲朗、狩野英孝、そして天然素材時代から苦楽を共にしてきた盟友FUJIWARA。

他の出演者が2人の決断に一定の理解を示す中、「ずっと一緒にやっていくもんやと思って」いたから「いまだに信じたくないです」と前半から本音を語っていたフジモンは、最後にはケンコバが「お母さんの泣き方」と喩えるほどの号泣。「解散までせなダメなんですか?」「やっぱり納得いかないです」と声を震わせ「宮迫さんのせいですよ! 雨上がり、あなたのせいで無くなるんですよ」「どんだけ迷惑掛けるんですか」と面と向かって本音をぶつけるフジモンの姿は胸を打つものがあった。その言葉を聞いて漏らした蛍原の「フジモンみたいに、1年半泣いてたんで」という言葉に彼の苦悩の深さがあらわれていた。

■野球少年に戻り涙する千鳥・大悟(テレビ朝日『千鳥の芸人C-1グランプリ』9月3日)

2021年も常にあらゆるテレビでふざけまくりテレビの笑いを牽引した千鳥。涙は絶対に見せないというイメージのある大悟だが、思わぬところで涙を見せた。

大悟と遠藤章造、ティモンディ、とにかく明るい安村といった元野球部芸人によるホームラン競争企画「ホームランダービー」。70mを越えたらホームランという判定で20球打つルール。遠藤が8本、安村7本、前田11本、高岸10本という成績を残す中、最後に大悟が挑戦。高校球児として実績ある他のメンバーと比べ、ノブいわく「8枚落ち」の実力の大悟。

3球目でホームランを打つとサヨナラホームランを打ったときのような喜びよう。7、8球目に連続でホームラン。他のメンバーのときもそうだったが、対決にもかかわらず、みんなお互いに応援モード。大悟の打席のときは完全にみんなが懸命にアドバイスをし、応援している。だから高校の時を思い出し、いつも見せないような真剣な表情で打席に立つ大悟。

そしてラスト1球。ホームランゾーンに打球が届き、見事ホームラン。

「野球ってこんなんやった!」と高揚する大悟。他のメンバーから称賛を受けると「これ以上言わんといてくれ、泣いてしまう」と言いつつ「みんなが応援してるから打たないと…」などと長尺で真面目なコメント。言い終わり「泣いてません?」と指摘されると「これはマジで汗」とごまかす。完全に芸人から青春時代の真面目な野球少年に戻った大悟が新鮮で感動的でもあり、面白かった。

■地元のスーパー閉店にかまいたち濱家が惜別の涙(MBS『かまいたちの知らんけど 特別編』9月12日) 

麒麟・川島と並び「2021年」を象徴する存在だったかまいたち。千鳥同様、あまり涙のイメージはないが、2021年は意外にもよく泣いた。

中でも印象的だったのは、地元のスーパー「イズミヤ」の閉店に際し「挨拶」に行った濱家の涙。人間誰しも“大切な場所”というものがあるが、濱家にとってそれは地元・大阪市東淀川区上新庄のスーパー「イズミヤ」だった。幼い頃から通っていたそこは家族団欒の場所であり、友人たちとの遊び場。まず濱家たちロケ隊は、彼が自宅からイズミヤに向かっていた道を辿る。そこで濱家はパン屋の匂いや花屋の光景の懐かしさに感動し、高架下でその上を走る電車の音の癖を完全に再現。店の中に入ろうとするとそこに流れる「イズミヤの歌」のメロディに興奮し、化粧品売り場、エスカレーター、玩具屋、ベンチ……と、その一つひとつの場所でありありと記憶を読み覚ませ、詳細にその思い出を語っていく。既になくなったフードコートの「世界一うまいポテト」がサプライズで用意されていると、彼は涙を落としながら食べるのだ。誰もが持つ“大切な場所”を失ったときの切なさを想起させる名シーンだった。

『かまいガチ』での山内の涙も忘れがたい。お金がなかった若手時代の「下積みメシ」をそれぞれが紹介するという企画(10月8日)。ゲストの天竺鼠・瀬下とは同期。天竺鼠の2人が同居していた「天竺ハウス」は、同期のたまり場のようになっていた。そこでの思い出なども語られる。さらに濱家は、若手時代に胸に響いた歌として同期の藤崎マーケット・トキが紹介して好きになったというザ・マスミサイルの「拝啓」を流す。

この曲は「同期の中でみんな歌えるくらい聴いてた」(山内)という。親に対して「期待どおりに育たくてごめんな」という歌に「あかん」と真っ先に涙を流す瀬下。山内も「いい曲すぎるやろ…」とまさかの涙。濱家は「山内が泣いてるやん。子供できて人間っぽくなったなあ」としみじみつぶやく。

うち、親が教員なんですよ。で、僕も大学、教員免許取りに行って、たぶん親的には教師になると思ってたところで芸人になったから…、迷惑かけて……」と山内は泣き崩れた。

■自分の不甲斐なさに涙する野田クリスタル(TBS『水曜日のダウンタウン』9月15日) 

2020年の『M-1グランプリ』で優勝し、『R-1』との2冠を達成したマヂカルラブリー・野田クリスタル。そんな彼が突如号泣し驚かせたのは「強い意志があれば寝た後の体もコントロールできる説」。タライにつながったヒモを握った状態で寝て、1時間ヒモを離さずに眠り続ければ説立証となる「睡眠タライチャレンジ」に挑戦することになった野田。

環境が変わると眠れないタイプだという彼は「お酒飲んで寝てしまったほうが早いかも」と“寝酒”をすることに。その甲斐あって10分で眠りにつく。が、その直後、タライが落下。ヒモを離したのではなく下に強く引っ張ってしまうという失敗。「恥っず…、やめてぇ……。でも、ダウンタウンさんの番ごみ(番組)かぁ。しょうがねぇ…。松っちゃん見てるからなあ…。今、相当寝るしゅん前(寸前)すね」と酔っ払って呂律も回ってない野田。「もうやめて、撮らないで…。みんなが帰れないと思って、クッソ…‥」と泣き出してしまう。「これどういう状況ですか?」と戸惑うスタッフに「いや、俺お酒飲めないんですよ…」と実は酒は飲めないものの寝れそうもなかったためスタッフに迷惑がかかると思い、酒を飲んで無理やり寝ようとしたことを明かす。「お忙しい中、ありがとうございました」とスタッフが言うと「みんなの方が忙しい。俺、気遣っちゃうんですよ…。気にしいなんです……」「自分のためにスゴい大人が動かれるとダメなんす」「はぁ…やっちゃったぁ……」となおも落ち込む。

しばらく時間が経ち少し酔いが醒めた野田は「自分のために誰かが苦労してるっていうのを知ると、泣いちゃうんです。普通のちゃんとした両親に育てられたんで。人に迷惑かけるのはダメだって…」と説明しながらまた涙。

スタジオの東京03角田は「野田クリスタルをただの良いヤツに(見)しちゃダメですよ!」と訴えるが、2021年、様々な企画で、その誠実で気骨ある人柄があふれ出ていた野田。

『アメトーーク』(2月17日)の「大宮セブン脱退ドッキリ」では「戦争だな。戦争の始まりだな。抜けるわけがないから! 戦うしかない」「大宮セブンを踏み台にしてるわけじゃないから。嫌な目にあった、恨みの塊なわけよ、大宮セブンは。抜けるって発想がない」とキッパリと言い放つ。5月22日の『ドッキリGP』(フジテレビ)では、自分の悪口を言うスタッフに相方がキレ、熱くかばってくれる映像を見たら泣くのかを検証するドッキリをかけられるも、「野田は天才ぶってるだけじゃない?」などというスタッフに村上が「あいつはそんなヤツじゃないんですよ」「僕はあいつが世界で一番面白いと思ってる」などと反論する映像を唇を噛み締めながら見た野田は「村上にこんなこと言わしてちゃダメだな。俺が足引っ張っちゃってる」と語り仕掛け人の村上を逆に泣かせたり、『モニタリング』(TBS)での「マヂカルラブリー解散ドッキリ」では「自分が足を引っ張ってる」という村上に「俺がどうこうじゃなくてお前がこのままテレビに出ない人生なんてもったいない」「(村上が)お笑い辞めるっていう選択肢はなくていいと思う。今後一生」と最大限の評価を言葉にする。

常に言葉を荒げることなく理路整然な口調でありながら、感情が昂ぶっていることがよくわかるのがとても魅力的。

■芸人の葛藤に涙腺がバカになるオードリー若林(フジテレビ『バチくるオードリー』11月10日)

「ピュアな芸人が作詞したラブソングをプロのミュージシャンが作曲」するという企画。作詞するのはTAIGAとザ・マミィ酒井。オードリーが若い頃からお世話になった先輩・TAIGAは、妻に向けて作詞。曲が始まるとすぐに涙を落とすTAIGA。曲が終わると感想を聞くはずの若林から声が出ない。どこでスイッチが入ったのか、若林も号泣している。曲前までTAIGAを軽快にイジっていた若林は「クッソぅ…」とつぶやく。

仕方なく「まずTAIGAさんか。いかがでした?」などと回し始める春日。少し落ち着いた若林「強がるんですよ、TAIGAさんって。だから『俺が引っ張っていくぞ』みたいな『ずっと』って曲だと思ってたら、プライドかなぐり捨てて『俺が一番バカ』とかプライドが……」とまた泣き出し「ちゃんと自分の殻を破ったから…本気で来たなと思って……」と語る。

付き合いの長いTAIGAだから若林の涙腺も過剰に刺激されたと思っていたら、酒井の番になっても、トーク中から「安っぽいプライド守っていろんなもん失ってきたなって…」という酒井に「芸人のプライドって厄介なのよ…」と涙腺がバカになっているかのように泣いてしまう若林。酒井は元彼女の「ほのぴー」に向けたラブソング「僕は言えなかった」。やはり今回も酒井はもちろん若林も号泣し春日が進行に。「ぶつけた才能の無さ 帰ってくる温もりが辛かった」という酒井の歌詞が特に響いた様子の若林は「『俺なんかダメだよ』って言ったときに温かくされたら余計辛くなっちゃうんだよなあ」と思い返す。突如、春日に向けて「お前はそういうの感じなさすぎだよ!」と怒りをぶつける若林。

『あちこちオードリー』(テレビ東京)でもロンドンブーツ1号2号・淳の回などでたびたび涙ぐんでいた若林。2021年最後の回(12月30日)の「反省ノート」のコーナーでは「『あちこちオードリー』の追い風でやらせてもらった特番をことごとくレギュラー化できなかった。でも今は今で幸せで、このままTV23時以降ラジオ男のまま行くか、無理をしてゴールデン覇王を目指すか決められないまま時だけが過ぎて行く」と反省ノートに綴り「『TV23時以降ラジオ男』のままで行くけどいいね? 決めちゃえば俺はすごい日々楽になる。やる努力も決まってくる背伸びして自分のエンジンじゃオーバーヒート気味にやらないと『ゴールデン覇王』にはやれない」と語る。そして2022年の目標としてフリップに迷いながら書いたのは「ゴールデン覇王」だった。

■思わぬ敗戦にゆりやんがまさかのマジ泣き(テレビ朝日『フリースタイルティーチャー』12月8日) 

驚くほどのハイレベルで最高の盛り上がりを見せる「芸人界最強ラッパー決定トーナメント」。その第2回大会の1回戦で前回準優勝で優勝候補筆頭のゆりやんレトリィバァは、そいつどいつ・市川刺身と対戦。第1ラウンド、「浮浪者じゃないよー、高円寺に家あるよー、和式便所の家だよー、ファイナリストで1人だけだよー、勘弁してよー。今日もションベンやったらはずれちゃったよー、オイ拭くのめんどくせぇよー、拭いてくれよぉー」と独特の節回しで笑わせた刺身が3-2で勝利。審査員のいとうせいこうも「市川くんの圧倒的な新しさ。『なんとかしてくれよ』って頼むだけ。でもそれは韻も踏んでるしバイブスもあるっていう演歌ラップみたい」と賞賛。Zeebraも「ブルースすら感じる」と。「でも次も通用すると思うなよ」とせいこうが牽制するも2本目も5-0で勝利。優勝候補のゆりやんが1回戦で敗れる波乱。

この思わぬ敗戦にずっと顔を覆って下を向いているゆりやん。2021年の『R-1グランプリ』優勝時も本気で泣きつつ、すぐに変顔を作って見せたから、当然、起き上がったらいつもの変顔が出ると思いきや「悔しいです」とマジ泣き。これがどこまで本気かわからないのがゆりやんの凄み。ゆりやんは「甘えすぎ…、過信してましたよね、自分を。ツラい、情けない、自分が……」とコメント。

■錦鯉の優勝に芸人たちが涙(テレビ朝日『M-1グランプリ』12月19日)

漫才の最後、長谷川が「ライフ・イズ・ビューティフル!」と叫んで錦鯉が優勝。相方の渡辺隆に抱きつかれ耳元で「ありがとう」と声をかけられ号泣する長谷川。

思えば長谷川の涙は2021年よく見た。3月6日の『テレビ千鳥』(テレビ朝日)での「おっさん芸人応援宣言」という副題のついた「面白キャラを作ろう!!」。いつもの「面白キャラ」企画ではなくキャラ登場の前に感動的なVTRが流れるドッキリ。母からの応援メッセージが流れた後、幕が開くと、長谷川は「コムサ ザ ボウズ誕生!」と出てくるが、その顔には涙が溢れている。4月3日の『有吉ぃぃeeeee!』(テレビ東京)では盟友・タカアンドトシ・タカの誕生日を漫才で祝いながら涙が止まらない。前述の『かまいガチ』「下積みメシ」でもかまいたちたちとは何の関係もないのに泣いていた。

そんな錦鯉の優勝に審査員のナイツ塙やサンドウィッチマン富澤まで涙を落とす。さらには、一緒に出場した芸人たちも涙で祝福。本当に幸福な大団円だった。

■その他の印象的な「涙」のシーン

オズワルド伊藤、『M-1』敗退報告に「まーごめハウス」で涙(『シンパイ賞』1月30日)

ダイエットに成功するも失恋し泣き崩れるクロちゃん(『水曜日のダウンタウン』2月9日)

かが屋・加賀の復帰VTRに涙ぐむ一同(『シンパイ賞』3月20日)

ザブングル松尾引退に司会役なのに誰よりも号泣するレッド吉田(『にちようチャップリン』3月27日)

ハナコ岡部、番組卒業(※その後すぐ復帰)で涙(『かりそめ天国』4月1日)

岡野陽一に「一番かわいい後輩」と言われ感極まって涙ぐむザ・マミィ酒井(『かまいガチ』4月22日)

女性芸人ポンループ・アミに告白され、それに応えられないと自分を責め涙するカカロニ栗谷(『水曜日のダウンタウン』6月22日)

娘からの手紙に号泣するダイアン津田(『ガキの使い』6月27日)

若手時代の孤独感を思い出し涙を落とす光浦靖子(『あちこちオードリー』7月14日)

空気階段、優勝し「サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!」な涙(『キングオブコント2021』10月2日)

おぼん・こぼん仲直りの奇跡に涙(『水曜日のダウンタウン』 10月6日)

絶縁状態の家族からの手紙に号泣してコントができなくなるザ・マミィ(『バナナサンド』12月7日)

恩人からのメッセージに号泣するもう中学生(日本テレビ『おしゃれクリップ』12月12日)

笑いながら「泣いてます!」と言った1本目終わりから、優勝して泣きながら「笑ってます!」と言う見事な伏線回収をしたオダウエダ(『THE W』12月13日)

ライター。テレビっ子

現在『水道橋博士のメルマ旬報』『日刊サイゾー』『週刊SPA!』『日刊ゲンダイ』などにテレビに関するコラムを連載中。著書に戸部田誠名義で『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』(イースト・プレス)、『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』、『コントに捧げた内村光良の怒り 続・絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』(コア新書)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)など。共著で『大人のSMAP論』がある。

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