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46歳。「我慢」と「離婚」の二者択一だと思い込んだ私。浅はかでした~おみおじリポート(154)~

大宮冬洋フリーライター
東海地方在住。話し合えるパートナーを探している筋トレ好き美人です。(本人提供)

30代半ばを超えた男女に求められるのは「頼もしさ」と「面白さ」

※2023年7月25日追記。久保さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼女の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 30代半ばを超えたあたりから、人には「頼もしさ」と「面白さ」の2点が必要だ、と僕とマチコ先生は考えています。前者は経済面をはじめとした生活力だけではありません。他人の欠点や失敗には目をつむり、なんとか折り合いを付けながらともに生きていくという大らかな姿勢です。

 後者はトーク力などではありませんよ。もっと内面的な、場合によっては変人だと思われかねないような特徴です。例えば、僕は以前に「イカマニア」の女性と会話したことがあります。頻繁かつ大量にイカをさばくけれど、その体液がエプロンに付着すると臭くて洗うのが大変なので、基本的に全裸で台所に立っているそうです。

 イカなら生だけでなく干物も大好きな彼女。毎日のようにスルメをかじっていたら歯が欠けてしまったとのこと。その逸話を話しながら「イカが固すぎたわけじゃありません。私の歯が弱いのです」とイカをかばっていました。バカだな、と笑いながら、愛おしさを感じたことを覚えています。

トレーニングマニアな女性が登場します。黄緑色のデコボコした小さい筒は「フォームローラー」という器具。筋肉をほぐすのに使うそうです。(本人提供)
トレーニングマニアな女性が登場します。黄緑色のデコボコした小さい筒は「フォームローラー」という器具。筋肉をほぐすのに使うそうです。(本人提供)

トレーニングのし過ぎで腹筋が割れています。自分でもちょっと気持ち悪いです

「腹筋が割れていて自分でもちょっと気持ち悪いです(笑)。頬がこけてしまったこともあります。健康になりたくてトレーニングをしているのに不健康になってはいけません。最近は少しゆるくしています」

 新たな受けオネット会員である久保智子さん(仮名、46歳)は自他ともに認めるトレーニングマニア。朝は1時間を超えるヨガのオンラインレッスンを受け、仕事から帰って来たらスポーツジムに直行。筋トレやエアロビなどで体を鍛え、ジムのお風呂に入って帰宅して寝る、という日常です。もちろん、土日もジムに通っています。

「寝る時間を削ってまで朝活ヨガをしているので、ジムの仲間からも『いったい何がしたいの?』と呆れられたりしています」

 いい! とってもいい感じのマニアエピソードです。依存症は困るけれど、「夢中になり過ぎて周囲からちょっと引かれる。友だちも減った」ぐらいがむしろ人間らしいと僕は思います。特にアラフォー以降の場合は、これぐらいの特徴があったほうが見知らぬ誰かの心に引っかかるのではないでしょうか。

自宅でのトレーニングの様子。「ヨガの頭立ちのポーズの練習です。3ヶ月前は全くできませんでしたが、最近できるようになりました」(本人提供)
自宅でのトレーニングの様子。「ヨガの頭立ちのポーズの練習です。3ヶ月前は全くできませんでしたが、最近できるようになりました」(本人提供)

人ともめることが苦手な私。結婚相手とも話し合わずに自分が合わせてしまっていました

 東海地方の実家暮らしの久保さん。普段の生活は極めて普通です。勤務先は小さな建設会社。社長秘書兼お茶くみ兼総務と、営業と技術以外の仕事は基本的に何でもやっているそうです。

「残業もなく、アットホームな職場なので長く働けているのだと思います。年収は400万円ぐらいです」 

 実家での生活は「下宿生」的な感覚とのこと。親は1階で、久保さんは2階で暮らしていて、自分のことは基本的に自分でやる生活だからです。

「両親との仲は悪くありませんが、生活パターンが違い過ぎるので食事も別々。生活費は入れていますが、一人暮らしのようには住居費がかからないので貯金もできて助かっています」

 そんな久保さんには離婚経験があります。35歳のときに結婚して3年後に離婚。その判断に後悔はないけれど反省点があるそうです。面と向かって話し合うことを避けてしまったことです。

「私は人ともめることが苦手なので、生活パターンなどで合わないことがあっても話し合わずに自分が合わせてしまっていました。そんな我慢が積み重なり、『この先何十年もこんな生活はできない』と判断したのだと思います。今から思えば、選択肢を『我慢する』と『離婚する』の2択にしたのは浅はかでした。『話し合って改善する』という道もあったはずです」

タンパク質や食物繊維をなるべく摂りたいので鶏むね肉やキノコ類を使ったメニューが多い、と久保さん。「トマト系やクリーム系、甘辛系など、いろんなパターンで作ります」(本人提供)
タンパク質や食物繊維をなるべく摂りたいので鶏むね肉やキノコ類を使ったメニューが多い、と久保さん。「トマト系やクリーム系、甘辛系など、いろんなパターンで作ります」(本人提供)

40代女性に求められるのは「合わせる」ではなく「誘導する」。めっちゃ大変な作業です

 そんな久保さんですが、結婚相手に求めるものは「いろいろ言い出すときりがない」とのこと。実際にいろいろ挙げてくれましたが、この点に関してはマチコ先生からオリエンテーションがあります。アラフォー以降の女性には共通する注意点です。

「初対面から『素敵! 理想的な人』と思えるような男性は婚活の場にはまずいないと思ってください。コミュニケーションに関しても、前の旦那さんよりも下手な人ばかりでしょう。素直だけど頼りないとか、会話はそこそこ楽しいけれどやたらに我が強いとか……。40代の女性に求められるのは、『合わせる』ではなく『誘導する』です。厄介に思える男性にも面白さや可愛げを見出して、辛抱強くトレーニングしなければなりません。このめっちゃ大変な作業に久保さんは取り組む覚悟はありますか?」

 久保さんはキョトンとした顔をしています。最初の結婚のときのような感覚でいたのかもしれませんね。それから10年が経過しているのだから、相手に求める条件などはより少なくするのは当然です。逆に、大人として発揮するべき度量のようなものが求められます。

 もちろん、苦労の果実はあります。時間はかかりますが、相手を自分好みに変えていける可能性があるからです。最終的に「最高に居心地がいい」関係を結べるかもしれません。久保さんは「やります!」と決意表明をしてくれました。

 マチコ先生の頭の中には具体的なお見合い候補もいます。同じく東海地方にお住まいの森村典孝さん(仮名、41歳)です。

「ちょっと頼りなく感じると思いますが、素直で可愛げがある男性です」

 森村さんはすでに受けオネット会員としての活動期間を過ぎているので、彼のほうから久保さんにお見合い申し込みをしてもらう必要はあります。逆に言えば、彼がその好意と行動さえ示してくれたら、あとは久保さんがすべてリードするぐらいの気持ちでいたほうがいいでしょう。久保さん、ヨガと筋トレを合わせたぐらいの集中力を発揮して婚活に取り組んでくださいね!

※文中の受けオネット会員は仮名です。久保さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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