東京都町田市忠生の住宅街に、ひっそりと佇むように建つ寺があります。そのお寺は東向山簗田寺（とうこうざんりょうでんじ）。簗田寺が2023年に営業を始めた食堂が「精進料理 ときとそら」。ずっと気になっていた食堂へようやく行けたのでご紹介します。

簗田寺（りょうでんじ） とは

東京都町田市忠生は、町田市の北西部に位置するエリア。周囲には自然が多く、忠生公園や鶴間公園といった緑豊かな場所が多くあります。東向山簗田寺（とうこうざんりょうでんじ）は閑静な森や豊かな湧き水に恵まれた環境にある寺院で、寛永6年（1629年）に建てられました。

行ってみると思っていた以上に広く、敷地内には約15台が停められる駐車場があります。

簗田家は織田信長の家臣で、桶狭間の戦いに勝利した第一の功労者と知られ、簗田寺はその菩提寺でもあるのだとか。※菩提寺（ぼだいじ）とは、特定の家族や一族が代々供養や法要を行ってきたお寺のことです。

今回は立ち寄りませんでしたが、境内には、簗田家の墓所や、簗田寺開創にまつわる伝説のある龍王ヶ池があります。

2023年春に営業を開始した食堂「精進料理 ときとそら」

食堂として2023年春に営業を開始したのが「精進料理 ときとそら」。食堂はお寺がある建物の一角にあります。歴史あるお寺だけあり、入り口から風情が感じられます。

中へは入り口で靴を脱いでから入ります。黒を基調とした色合いが落ち着く...。スタッフさんたちが優しく笑顔で出迎えてくれて、まるでホテルに宿泊するかのような居心地のよさが感じられます。

座席は4人がけと2人がけのテーブル席が複数、2グループが座れるお座敷が1箇所、数名座れれるテラス席が外に。これからの季節は気持ちよさそう。

お水は「白湯」「冷水」「ハーブ水」の3種類から選択。自由にお代わりもできます。

曜日限定で提供される「精進カレー」

食堂で提供される昼のメニューは1種類のみ。月火水は「精進カレー」、金土日は「精進御前」。月曜と水曜は8:00〜10:00に朝粥を提供しています。

月火水限定の「精進カレー」は、単品以外にランチチャイが付いたセットも。

• 精進カレーセット 1400円（税込）
• 精進カレー単品 1200円（税込）

※発酵玄米に変更 +200円（税込）
※チャイ単品 300円（税込）
※精進カレーにはダルカレーとアチャールが付いています
※カレーセットにはランチチャイソーダまたはランチチャイ（冷・温）が付きます

ダルカレーは豆をベースに数種類のスパイスを加えたもの。アチャールはインドや南アジアの伝統的な漬物で、野菜や果物をスパイスや油、酢、塩で漬け込んで作られたものです。

精進カレーセットはこちら。筆者は+200円でライスを発酵玄米にしました。

通常のライスはこちら。

どちらも美味しいですが、筆者はぷつぷつ食べ応えのある発酵玄米が好みです。

ご飯の上に載せられているのは、丁寧に揚げられたオクラとレンコン。野菜の内容はアチャール同様、季節によって変わるのだそう。

添えられているものはもう一つ「りんごをすりつぶしたもの」。「ダルカレーに混ぜて味わいを変えて食べてみてくださいね」とのことで、これが美味しい。やさしい味わいのダルカレーに、りんごの自然な甘味がピッタリでした。

セットに付いているチャイソーダは初めて出会う味。定番のホットやアイスは予想を裏切らない美味しさですが、チャイソーダは想像以上の美味しさ。喉ごしがスッキリするので暑い夏には特におすすめです。

精進カレーは見た目以上にボリュームがあり、お腹がほどよく満たされました。目で見ても満足する精進カレー、季節が変わったらまた食べに訪れたい。

自然豊かな忠生の禅寺でいただく昼食はとても豊かで心まで満たされる時間でした。簗田寺の斎座（昼食）では「知足安分」を大切にしているとホームページに書かれています。足ることを知り今の状態が安らかだと分かること＝知足安分を、食事を通して少し感じられたような気がします。

秋のはじめに精進料理を味わいにふらり出かけてみてはいかがでしょうか。精進御膳は事前に予約をした方が確実だそうですよ。境内を彩る季節の草花や、簗田寺で開催されるイベントについては簗田寺の Instagramを、食堂のメニューについては「ときとそら」のInstagramをフォローしてチェックしてみてくださいね。

※2024年9月時点の価格・メニューです。
※精進御前のみ電話にて予約を受け付けています。

定休日は木曜ですが臨時休業がある場合がありますので、Instagramをフォローしてお出かけ前にチェックしてくださいね。

取材協力：簗田寺 精進食堂 ときとそらスタッフの皆さん

関連記事（近くの店舗）：“体は食から”を味わう！季節野菜と食材で体と心にも優しい一軒家フレンチレストランへ（シェシミズ）

薬師池ほとりにある茶屋で名物あんみつとあんころ餅を食べてきた！自然の中で癒される（やくし茶屋）