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「パットの距離感は振り幅でつくる」は誤解!?ゴルファーのデータの傾向が示すパットが上達する方法

野洲明ゴルフ活動家

結果的に振り幅が大きくなる

パットの距離は振り幅で変わる。大きくストロークすればボールは遠くまで転がり、小さくストロークすれば近くで止まる。

しかし、パットの振り幅は“結果的に”変わるもの。基本的には意識してつくるものではない。同じような打ち方でも、意識的にするものと結果的になるものとでは、その打ち方の質は異なったものになる。

リズムやテンポを一定にすることが、パットを高いレベルで安定させる条件になるが、「ここまでテークバックしてここまでフォロースルーをとる」と、意識的に振り幅を定めると動きがかたくなり、スムーズにストロークしにくくなる。

たとえば、下手投げでものをかごに投げ入れる場合、かごまで遠ければ自然と腕は大きく動き、近ければ小さく動くだろう。決して、「これぐらい腕を引き上げて~」などとは意識しないはずだ。意識していたら、おそらく投げたものがかごに入る確率は高まらないだろう。

ものを投げる時のような“感覚”をいかに磨くかがパットの上達のポイントになる。

フィニッシュをしっかりとる

リズムやテンポが不安定になると、インパクト時にクラブの急加速や急減速が起きやすくなり、“振り幅は同じなのに転がる距離はバラバラ”となりやすい。インパクト時の急加速や急減速が起きるとフォロースルーからフィニッシュまでのストロークのバランスが崩れやすくなる。

ショットと同様、パットでも“フィニッシュを決める(静止する)”という意識は有効だろう。そうすることで、一定の速度でストロークしやすくなる。

静止したままボールの転がりを見る
静止したままボールの転がりを見る

パットのレッスンスタジオを主宰し、プロゴルファーとアマチュアゴルファー、合計2000名以上(2015年時点)のパターの動きとボールの転がりに関するデータを測定してきた大本研太郎氏は、書籍の中で以下の通りに述べている。

パッティングがうまくない人は、例外なくフォローがルーズ。一方、プロゴルファーならほとんどすべての選手が、フォローでピタッとパターヘッドが止まっています。

<関連記事>
パッティング指導の最前線 大本研太郎 著「重心パッティングのススメ」(GOLFERS SUPPORT)

転がりをイメージする

ボールの転がりをイメージすることで、距離感を出しやすくなる。ボールの転がりをイメージする→ボール初速に合うヘッドスピードをイメージする→リズムやテンポを一定にした上でそのヘッドスピードになる感じをつかむ→結果的に距離が合う振り幅になる。といった流れでイメージをつくっていく。

この流れでつくったイメージに浸って打ち、距離が合っていれば、適正の振り幅でストロークしたということになる。

ボールが転がるイメージ、といってもピンとこないゴルファーは、まずは練習グリーンで手でボールを転がしてみるとよいかもしれない。「このぐらいの距離であれば、このぐらいのボール初速が良い」と分かってきて、距離に応じたボールが転がるイメージを持ちやすくなるはずだ。

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パッティングは「打つ」前にまずは「読む」グリーン上のラインの読み方(GOLFERS SUPPORT)

ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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