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辰年の今年にオススメの激熱アクション映画!【寒さも吹き飛ぶ血沸き肉躍るドラゴン・カンフーで大興奮】

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

1月も半分が過ぎました。正月気分もすっかり抜けて刺激に飢えている方も多いはず。そんなときにオススメしたいのが、功夫(カンフー、クンフー)映画です。

今回は、以下の点にこだわって2作を選びました。

  1. 今年の干支の辰年にちなんでタイトルに「ドラゴン」がつく作品
  2. カンフー映画をあまり見たことがない人の入門にもオススメの作品

功夫:読みは「いさお」じゃなくて「カンフー」です
功夫:読みは「いさお」じゃなくて「カンフー」です

カンフー映画の金字塔

『燃えよドラゴン』

公開は1973年と、半世紀も前の映画ですが、今なお色褪せないカンフー映画の代表作です。

少林寺武術の達人のリー(演:ブルース・リー)が、かつて同じ武術を破門となったハンが支配している島で行われる武術トーナメントに潜入し、ハンの悪事を暴いていくというストーリー。

主演のブルース・リーは、本作の製作にも深く関わっています。世界的にヒットし、本作によってカンフー映画というジャンルが確立されました。

みどころ

本作は何と言っても、アクションシーンが最高です!

カンフー映画の闘いは素手が中心のため、絵的に地味になりがち。それを補うためか、敵が大量に出てきます。しかしながら、敵味方が入り乱れて闘うガチャガチャしたアクションは、落ち着きがないばかりで迫力に欠けます。

ブルース・リーが有名になる以前の作品や、ブルース・リーの死後しばらくスター不在で作られた映画を見ると、ガチャガチャしたアクションが目立ちますね。

一方、本作は、多人数との戦闘であっても闘っている瞬間は、ほぼ一対一の状態で画面に映るように撮影されています。

集団で闘っているのを引きで見ると細かな動きが分からず臨場感がない。敵が次々に襲い掛かるようにして闘いは個別にして魅せることで、迫力が増し増しに!
集団で闘っているのを引きで見ると細かな動きが分からず臨場感がない。敵が次々に襲い掛かるようにして闘いは個別にして魅せることで、迫力が増し増しに!

事前に大量の敵を映してから、主人公にクローズアップして闘うシーンを見せる。現在のアクション映画では当たり前に使われている演出ですが、闘いがいっそう痺れるものになっています。

本作をご覧になる際には、そんな演出にも注目して見ると楽しいはずです。また、一瞬ですが、当時はまだ無名だったジャッキー・チェンが敵として出演しているので、探してみるのも面白いかもしれません。

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一粒で三度美味しいカンフー映画

『ドラゴン・キングダム』

2008年公開の映画で、原題は「The Forbidden Kingdom」でドラゴンではありませんが。カンフー映画をゆるっと楽しみたい方の入門編には持ってこいの作品です。

主人公の高校生がカンフー映画のDVDを買いに行った質屋で、孫悟空の武器であった金の棒を手にし、異世界に迷い込むことから始まる物語。少年はルー・ヤン(演:ジャッキー・チェン)という老師と、サイレント・モンク(演:ジェット・リー)という道士の訓練を受けながら、石化して囚われの身となっている孫悟空に棒を届ける旅をします。

みどころ

本作最大の魅力はブルース・リー亡き後のカンフー映画界を支えてきた2大スター、「ジャッキー・チェン」と「ジェット・リー」の共演です。

ジャッキー・チェンは、酔えば酔うほど強くなる『酔拳』シリーズや、ガンアクションやカーチェイスなどもある『ポリス・ストーリー』や『ラッシュアワー』シリーズなどの作品で知られています。ちょっと風変わりな拳法だったり、身近な小物を使ったコミカルな戦闘アクションはとても魅力的です。

ジェット・リーは、『少林寺』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のシリーズなどで有名です。実在した武術家を演じたり、シリアスな役どころをすることが多く、本格的な拳法の動きが魅力的でグッときます。

本作では、ジャッキー・チェンの愉快なアクションと、ジェット・リーの流麗なアクションを同時に楽しめます。同じカンフー映画のスターでありながら、全く雰囲気の違う2人のアクションの対比がたまらなく面白くて、カンフーアクションの奥深さを感じられると思います。さらに、CGなど特殊技術を使ったアクションもあります。

まずは本作でジャッキー・チェンとジェット・リーのどちらのアクションが好みかを比べてみてから、それぞれの作品にどっぷりと浸かっていくのもオススメです。

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近年では、キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』のガンフー(銃+カンフー)のように、カンフー映画の要素は様々な作品に取り入れられています。

武器に頼らない肉弾戦が中心でありながら、ルールは存在しない命がけのハードな闘いでもあるカンフー・アクション。これまで見てこなかった方も、見始めればきっと熱くなれるはずですよ!

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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