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全米女子オープンを制した笹生優花をフィリピンの国民的英雄マニー・パッキャオが祝福!

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
全米女子オープンを制し、フィリピン国旗の前でトロフィーと一緒に写真を撮る笹生優花(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 畑岡奈紗との『日本人同士』によるプレイオフを制して、歴代最年少記録で全米女子オープン優勝を飾った笹生優花。フィリピンの国民的英雄でありボクシングの6階級制覇王者のマニー・パッキャオが、フィリピンの選手として今大会に臨んだ笹生を祝福した。

 現役のボクシング世界チャンピオンとして活躍しながら、フィリピンの上院議員も務めるパッキャオは、将来のフィリピン大統領の有力候補とも呼ばれている。ツイッターのフォロワー数が265万人を超えるパッキャオは、笹生がフィリピン選手として男女を通じて初めてゴルフのメジャー大会を制すると、「万歳!笹生優花」とタガログ語でツイートして、フィリピンの国旗を添えた。

 続けて英語で「世界最年少優勝者として由緒ある2021年全米女子オープンの王者に輝き、世界中にフィリピンの偉大さを示しました。フィリピンの全国民と私は、あなたの勝利を祝います。あなたをとても誇りに思います」と投稿した。

 日本人の父親とフィリピン人の母親の間にフィリピンで生まれた笹生は、6歳のときにフィリピンから日本に移住したが、ゴルフの練習環境が良く、日本よりも経済的負担の少ないフィリピンに8歳で戻り、父親との二人三脚でプロゴルファーを目指した。

 今回、プレイオフで激戦を繰り広げた畑岡とはジュニア時代からライバルとしてしのぎを削り、2016年の世界ジュニアゴルフ選手権では優勝した畑岡に次ぐ2位に終わった。

 日本とフィリピン、2つの国籍を持つ笹生は、今夏の東京五輪にはフィリピン代表として参加する。米ツアーに参戦するときも日本ではなく、フィリピンの選手として登録している。

 女子ゴルフのメジャー5大会の中で、最も歴史が古い全米女子オープン。19歳11カ月17日での優勝は、2008年の朴仁妃と並ぶ史上最年少タイでの優勝だが、うるう年の関係で朴が19歳353日での優勝だったのに対して、笹生は19歳351日と2日若い。

 その朴は笹生と同じく全米女子オープンが、米女子ツアー初優勝だった。2013年にはメジャー3勝を挙げ、メジャー優勝回数は7度を数える。

 2016年に史上最年少の27歳でLPGA(米女子プロゴルフ協会)の殿堂入りを果たしている現役レジェンド・ゴルファーの朴のように、笹生も世界を代表するゴルファーに成長していきそうだ。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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