ミスは一秒でも早く取り掛かれ!小林製薬紅麴事件から考える動き出しの大切さ
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。
中途の人材採用支援をしつつ、月60万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュースでは2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
小林製薬の紅麴を使用したサプリメントが原因と思われる健康被害の報告が相次いだ件で、ユーザーに不安の声が広がりました。
この件では、最初に報告を受けた1月15日から、記者会見での発表と自主回収に踏み切った3月22日までの間に2か月もの期間があり、こうした情報の開示に遅れがあったことで大きな混乱を招いたのではないかと考えられます。そうした経緯から小林製薬は取締役会で「事実検証委員会」の設置を発表しました。
これを読んでいる方の中にはこの春から新しい職場になったり、部署の移動があったりと、環境の変化があった方もいるのではないでしょうか。4月は何かと変化と学びが多いシーズンです。慣れない環境、慣れない業務でミスをしてしまうなんてこともあるかもしれません。そんなとき、どういった対応をしていくべきなのか、改めて考えてみましょう。
ミスしちゃった!どうしよう?
「ヤバい!間違えた~!」
そんなとき、まずどう動くのがベストでしょうか?
もしかすると、「自分から報告するのはなんか嫌だな…」「一旦忘れて後から何とかしよう」といった考えがついつい浮かんでしまうなんてこともあるのではないでしょうか。環境が変わったばかりで、人間関係の構築が不十分となれば尚更言い出しづらいと感じることもあるかと思います。
実際、ミスをしてしまった時、多くの人はどういった対応をしているのでしょうか。
株式会社ビズヒッツが働く男女500人を対象に行った「仕事でミスをしたらどうするか」という以下のアンケートの結果から、自分で対処するまたは謝罪するという人が多いとわかります。
こうしたいくつかの対処方法のなかで共通して大切なポイントが二つあります。
まず一つ目はすぐに動き始めることです。
自分で対処するにしても、上司に報告するにしても、すぐに行動することが最も大切になってきます。些細に思えるようなミスであっても、その後事態が二転三転して大きな問題に発展するということは大いにあり得ることであり、自分自身や会社全体の信用を失う事態にもなりかねません。ミスが発覚して間もないタイミングであれば、まだリカバリーも出来ます。悪い方向に進んでいってしまう前に、解決に持っていくためにも、発覚したミスは絶対に隠さずにすぐ報告しましょう。
先述した小林製薬の件でも、医療機関からの報告を受けてから発表と自主回収に至るまでに2か月もの期間がありました。この間も当然多くのユーザーが健康のためにサプリメントを服用していたこともあり、「もっと早く言ってくれたら」といった声も実際見られます。
働く上では、何事もユーザー起点で考える必要があります。早く解決するためだけでなく、誠実に仕事や顧客と向き合うという面でも、早く行動するというのは非常に大切です。
二つ目は正確な報告です。
曖昧な報告、情報の不足はその後の対応に大きく影響が出ます。
例えば、ミスした事案を上司や当事者以外がリカバリーに携わることになった場合、当然、当事者から報告された内容をもとに動いていくことになります。身近なところで解決できるものではなく、関係部署や取引相手先にも迷惑がかかるようなものであった場合、認識の違いは大きな混乱と信用の低下を招きます。「怒られないように」といった考えで誤魔化して報告するのはやめましょう。
「なんだそんな簡単なことか」と思われるかもしれませんが、取り返しのつかない二次災害へと発展するのを防ぐためにも、自身と会社全体の信用のためにも、誠実な対応を心がけましょう。
ミスしないためには?
もちろん、対処ばかりに意識を向けるのではなくミス自体をなくしていくように努める必要もあります。
ディップ株式会社が行ったアンケートでは、月曜日に仕事で失敗をしてしまうという人が最も多く、4人に1人という結果でした。スイッチが休日モードから仕事モードへと切り替わっていなかったり、休日に生活リズムが狂ってしまい体調が万全でなかったりということが理由ではないかと容易に考えられます。
注意力が散漫にならないよう、休日にしっかりと休息を取ることも大切です。
またこうしたデータから、月曜にはより一層ミスに注意して業務に取り掛かることを意識し、to doリストを作成してやるべきことを忘れないようにしたり、ダブルチェックをしたりするなど、念には念を入れて取り組むと良いと思います。
リストの作成もダブルチェックもちょっとしたことではあるものの、習慣づけていくことで格段にミスは減っていきます。普段からコミュニケーションをとることも、報告や相談に抵抗がなくなってくるという点で重要なことと言えます。相談できる環境を整えるためにも対話を大切にできるといいでしょう。
マニュアルを作成するというのもミスを減らすための一つの方法です。新しい業務を教えるときや、業務の引き継ぎをする際、教える側からしてみれば簡単な慣れた業務であっても、教えられる側からすると口頭だけでは不安が残るということも多々あります。教わったときにメモをする、分からないことは相談し確認するといったことも大切ですが、繰り返し確認できるマニュアルがあることでスムーズな教育・引き継ぎが可能となり、全体の効率化が図れます。
また、マニュアルがあることで業務の標準化も可能となります。「あの人はこう教えてくれたけれど、他の人には別のやり方でやるよう言われた」といった状況で頭を抱えた経験のある方も多いのではないでしょうか。こうした混乱を防ぐためにも明確にマニュアルに記しておくということは役に立ちます。
まとめ
ミスは誰にでもあるものであり、ミスをしないこと以上に最も大事なことは誠実に仕事に向き合うことです。新しい環境で緊張しながら精一杯努力する方も、慣れてきてちょっぴり気が緩んできた方も、今一度気持ちを入れ替えて今年度も頑張っていきましょう!