パラリンピック・24時間テレビから考える、障がいと共に生きる人の雇用について
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。
中途の人材採用支援をしつつ、月60万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュースでは2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
現在、パリパラリンピックが世界中で盛り上がりを見せていたり、日本でも24時間テレビが注目されたりと、障がいと共に生きる多くの人が関心を集めています。
企業においても、障害者雇用の重要性がますますクローズアップされています。企業が障害者の雇用にどのように取り組んでいるのか、また、どのような課題があるのかについて、考えてみましょう。
障害者雇用の現状
日本では法的枠組みとして「障害者雇用促進法」が設けられており、企業には障害者を一定割合以上雇用する義務が課せられています。
具体的には、民間企業は2.5%の雇用率が義務付けられており、これを満たさない場合には納付金を支払う必要があります。2024年4月も、障害者雇用率の引き上げが行われ、雇用の機会を拡大する取り組みが進められています。
厚生労働省が発表した令和5年の障害者雇用状況によると、民間企業で雇用される障害者は人数にして64万人に上ります。
障害者雇用は社会的責任を果たすという意味以外にも、企業の持続可能な成長を支えるという大きな意味を持っています。多様性が重視される現在において、障害者雇用の促進は異なる視点や創造的なアイデアが生まれやすくなるというメリットがあり、また、企業の社会的信用の向上にも繋がるでしょう。
社会的責任、持続可能な成長のこの2点の意味から、企業は積極的な障害者雇用への取り組みを行う必要があると言えます。
必要となる支援
現状では、企業全体での障害者雇用率は目標を達成している企業も多いものの、特に中小企業や一部の業界では達成が困難な場合もあります。
障害者の就職件数が過去最高!雇用率が年々増加している理由 | 福祉.tv NEWS - 福祉を考えるメディア (fukushi.tv) (引用)
上記のグラフからも、職種による就職件数の差は大きいと言えます。これは、職場のバリアフリー化や業務内容の調整が必要となるケースが多いことが理由です。安定的な職場環境を提供するために、充実したサポート体制も必要となります。
一方で、障害者の側から見ても、職場に適応するための支援が欠かせません。ハード面では、職場の物理的な環境整備が求められ、ソフト面では、上司や同僚とのコミュニケーションの問題に対する理解や研修が必要とされています。
特に、精神障害者の雇用が増加しており、メンタルヘルスに配慮した職場作りが今後の課題として挙げられます。
さらに、障害者雇用においては、定着支援が重要です。就労後のフォローアップが十分でないと、離職率が高くなる傾向があるため、長期的な雇用維持のための支援策の充実が求められています。
まとめ
このように、日本の障害者雇用は、一定の進展を見せつつも、依然として解決すべき課題も多く残っています。政府や企業が一丸となり、障害者がより働きやすい環境を整えるための努力が続けられています。