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PK戦までもつれた皇后杯決勝戦。4度目の対戦を制したのは、INAC神戸レオネッサ!(4)

松原渓スポーツジャーナリスト
15年間の現役生活にピリオドを打った甲斐(C)松原渓

12月25日に行われた皇后杯決勝、 アルビレックス新潟レディースとINAC神戸レオネッサの一戦は、0−0で迎えたPK戦の末にINACが勝利し、2連覇を果たした。試合後の監督・選手コメント(INAC)。

PK戦までもつれた皇后杯決勝戦。4度目の対戦を制したのは、INAC神戸レオネッサ!(1)(2)(3)

【選手コメント(INAC神戸レオネッサ)】

DF 甲斐潤子(今大会での引退を発表)

ーー現役最後の試合が終わりました。甲斐選手にとって、どのような15年間でしたか?

今、終わってみればあっという間でした。その間には苦しいことがたくさんあって、楽しいことの方がごくごく僅かでしたが、その分、何かを我慢してサッカーのためにやってこられたことも幸せなことなんだな、と感じます。

ーー15年間、続けてこられた一番のモチベーションは何だったのでしょうか?

自分はなでしこ(ジャパン)に入れなかったこともありますし、何かを持っているかと言われたら、持っている選手ではありません。それで、記録を残せば少しでもみんなの気持ちにとどまることができるのかな、と思いました。あとは、先輩たちの姿を見てきたので、それを今の子たちにも伝えなければいけないなという思いで、恥じないようにプレーしてきました。

ーー特に女子サッカー選手にとっては引退を決めることはすごくタイミングも難しいと思います。決めるきっかけは、どのようなことだったのですか?

本当は、体がボロボロになるまで続けたかったのですが、気持ちの部分で、ベストに持っていくのが難しくなりました。良い環境でプレーさせてもらっている中で、トップにギアが入り切らなくなったんです。また来年、となると、そこまで自分を追い込めない、という気持ちがありましたし、みんなを鼓舞することも、もう自分にはできないな、と。自分は気持ちだけの選手なので、そこが途切れてしまって、そのような状態で続けるわけにもいかないですし。みんなに「もう、いいですか?」とお許しをいただいて。

ーー今後、日本の女子サッカー界がどのような方向になることを望まれますか?

引退した澤(穂希)さんやかい(海堀あゆみ)ちゃんのように、なでしこ(ジャパン)を支えてきた人たちが、今後、さらに年を重ねて、引退したり、ピークも過ぎていくと思います。でも、結果が残せている以上は、そこがピークだと思うので、そういう選手をリスペクトしつつ、若い子たちがそこを目指して欲しいですね。ベテラン選手も(若い選手に)負けていられないという気持ちでやって欲しいですね。あとは、こうやってメディアの方々がたくさん来てくれる環境を維持していけるようにしたいですね。

ーー今後の人生について、思い描いていることはありますか?

できればサッカーに関わっていきたいですけれど、難しい部分もあると思います。ただ、選手の立場をわかっているので、それを、なでしこリーグが発展できるように活かせたらいいですね。こうやって環境が良くなったのも、なでしこジャパンが結果を残して、先輩方が苦労してやってきたことがあるので、「この環境が当たり前ではない」ということを若い選手たちに分かって欲しいですし、より良くするためには結果を出さないといけないと思うので。その結果を出すためにサポートできる方法を考えたいですね。

MF 中島依美

ーー2大会連続のタイトルを手にして、いかがですか?

チームとしても、目指してきたタイトルなので、最後に獲れたことは嬉しいですね。皇后杯はどのチームにもチャンスがありますし、タイトルを獲るのは簡単なことではないと思っています。

ーーご自身のプレーを振り返って、いかがですか?

PKになる前に決められる選手になりたいです。決められるところで決められる選手になれば、こういう苦しい状況にはならなかったと思いますし、ミドルシュートでも決められる選手になります。

ーー今季のご自身のチームでの役割をどのように感じていましたか?

自分たちが、お姉さん方に頼っていたらチームでこれから伸びないと思うので、そういったところでは、お姉さん方の背中をしっかり見て、自分たちが中心になって、下の子たちがどんどん上がってきてくれればチームにとっても良いと思います。その中で、自分のプレーをもっと出せるようにしていきたいですね。

GK 武仲麗依

ーー今日は(第1GKの)福元(美穂)選手がケガで先発を外れました。どのような気持ちでピッチに立ちましたか?

福元さんや、メンバーに入れていないメンバーのためにも頑張ろうと思ってやりました。今日の試合には福さんのグローブをつけて臨みました。アップの時に、ピッチが滑るとか、いろいろアドバイスをいただいて臨みました。やっぱり、いつも切磋琢磨しながらやれてきたので、その結果が出たのではないかと思います。

ーーPK戦は何回か読んでいましたが、データはあったのですか?

特にデータはなかったのですが、「今日は止められそうやな」という気がしていました。PKは入って当たり前だと思っているので、1本でも止めたら自分がヒーローになれるという思いがあって、緊張せずに楽しくやれた結果がついてきたのかなと思います。

ーーコースは最初に決めているのですか?

ある程度は、(相手の)フォームと、目線を見て飛ぶようにはしています。

ーー福元選手のどのようなところがすごいなと感じますか?

みんなと信頼関係を築くのもすごく早かったし、声の存在感は違いがあると思います。人との関わり方が上手いなと感じますし、見習っていきたいですね。

(5)【監督・選手コメント(アルビレックス新潟レディース)】

(6)【選手コメント(アルビレックス新潟レディース)】

に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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