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今年も実施 200人以上を集めた190円の鉄道撮影会

鳥塚亮大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)では、昨年実施して好評をいただきました日本海ひすいライン能生駅での桜と列車の撮影会を今年も実施しました。

今年はお隣り富山県のあいの風とやま鉄道さんからラッセル車を譲り受けまして、その輸送が4月5日に行われることから、インターネットで告知をしたところ、平日の日中時間帯にもかかわらず、200名を超える撮影者が集まり、盛況のうちに無事終了いたしました。(入場券の販売枚数は269枚でした。)

2時間前から入場待ち

ラッセル車の到着は15:20ごろ。

撮影会は15時ごろから改札の予定でしたが、お昼過ぎ頃から皆さん並び始めましたので、1時間前ぐらいから入場していただきました。

列車到着の1時間ほど前の状況です。

50人ぐらいでしょうか。

あと1時間もあるというのに皆さんニコニコ顔で待ってます。

その後どんどんと集まり始めまして、列車到着10分前にはご覧の通りかなりの人数のお客様がいらっしゃいました。

筆者が主催者の代表としてご挨拶し、2つのお願いをしました。

1:仲よく譲り合って撮影し、撮られた方から順次後ろの方と代わっていただき、特に中学生、高校生などを優先してあげていただきたいこと。

2:桜が満開ですからいい写真を撮影していただいて、拡散していただくこと。

そうすることでこの地域が有名になり、たくさんの人がいらしていただくことがこの撮影会の目的です。

桜とラッセル車の珍しい組み合わせ写真 撮影:倉辻柊成氏
桜とラッセル車の珍しい組み合わせ写真 撮影:倉辻柊成氏

やがて列車が到着すると皆さん一斉にシャッターを切ります。

200名以上の方が一斉にシャッターを切る音が駅構内に響き渡りましたが、よくありがちな撮り鉄による暴走や罵声が飛び交うようなシーンはまったく無く、皆さん仲良く和気あいあいで穏やかな雰囲気の中、撮影会は終了いたしました。

撮影:松田淳浩氏
撮影:松田淳浩氏

見学にやって来たちびっ子たちに手を振る運転士さんと、撮影する鉄道少年。

こんなほほえましい光景が見られたのもえちごトキめき鉄道の撮影会ならではと、ご来場いただきましたお客様からお言葉をいただきました。

わずか20分間ほどのイベントでしたが、発車していくラッセル車を見送って、皆様満足そうに帰られて行かれました。

なぜ190円で撮影会を行うのか

昨年も話題になりましたが、赤字の鉄道会社がなぜ190円で撮影会を行うのか。もっとお金を取ったらいいんじゃないか、と今回もご来場された皆様から言われました。

でも、企画した筆者としては、できるだけ多くの皆様に楽しんでいただきたいことと、今の時代ですから、撮影した写真をどんどん拡散していただければ、大きな効果が得られますから、それだけで十分だと考えます。

まして、特に手配が必要なわけでもなく、追加の経費が掛かっているものでもありません。

笑顔で手を振る運転士さんの写真に見られるように、自分たちの仕事がこれだけ注目されているんだということを実感することで、会社の中にも新しい機運が生まれてくるものです。

それが、決算書上は赤字ではありますが、地域に根付いたインフラ企業として必要なことではないでしょうか。

当日限定の記念入場券(190円)です。

4月5日は中段ですね。

ラッセル車の通過は5日限定でしたが、能生駅の桜はまだ散っておりませんので、明日、明後日も実施予定です。

昨今、鉄道会社と鉄道ファンとの間には何かぎくしゃくしたムード感じます。

撮り鉄の人たちは社会的に良い評価を得られていませんが、トラブルを起こせばニュースにはなりますが、マナーを守って仲良く撮影会を行うとニュースにはなりませんので、今回は敢えて撮り鉄さんたちのマナーの良さをニュースにしてみました。

平日にもかかわらず、新潟県糸魚川市の日本海側の小さな駅に200名以上の皆様方が集まるということ自体が地元ではビッグニュースですが、筆者としては「皆さんお仕事大丈夫なのかなあ。」と思いますが、皆ニコニコしていましたので、実施して良かったと社内でも笑顔が広がっています。

関連ニュースはこちらです

https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20230405/1030024739.html

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https://news.yahoo.co.jp/byline/torizukaakira/20220417-00291873

※本文中に使用しました写真は特にお断りのあるものを除き筆者撮影です。

大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長、2024年6月、大井川鐵道社長。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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