満開の新潟・高田公園の桜は都会の桜と何が違うのか?
新潟県上越市の高田城址公園の桜が満開になりました。
高田城址公園というのは、徳川家康の6男である松平忠輝公の居城として1614年に築かれた高田城の跡地に整備された公園で、約4000本のソメイヨシノが今、一斉に咲き誇っています。
この高田城址公園の桜は、日本三大夜桜と呼ばれ、東京の上野恩賜公園、青森の弘前公園とともに夜桜の名所として知られています。
夜になるとこのようにライトアップされてお堀の水辺と相まって幻想的な光景が広がります。
でも、夜はもちろんですが、昼間も美しい景色が広大な敷地の中に広がっています。
高田城址公園の桜は都会の桜とどこが違うのか?
東京の桜は昨日の雨で散り始めてしまったようですが、高田の桜は今がちょうど満開少し前といったところでしょうか。
筆者は東京生まれの東京育ちで、桜といえば上野恩賜公園はもちろんですが、皇居千鳥ヶ淵だったり、あるいは浅草の隅田川だったりと名所がたくさんあって、春はとても良い景色が見られます。そんな筆者が新潟県上越市に来て5度目の春を迎えていますが、実はこちらに来るまでは「桜なんてどこも同じでしょう?」と思っていました。
でも、上越市の高田城址公園の桜は都会の桜とは全く違うのです。
その違いというのは、桜をバックに雪山が見えることです。
手前はお城のお堀ですが。周囲の桜と妙高山の雪山とのコントラストが、ここ高田城址公園のポイントです。
この景色は都会では絶対に見ることができません。
いわゆる絶景の一つです。
このお堀ですが、今は桜ですが夏になると一面に蓮の花が咲き乱れ、また別の絶景ポイントとなります。
日本五大桜と呼ばれる場所も
福島県の三春滝桜、山梨県の山高神代桜、岐阜県の根尾谷薄墨桜、埼玉県の石戸蒲桜、そして静岡県狩宿の下馬桜が日本五大桜と呼ばれています。
日本三大夜桜の上野、弘前、高田公園は数千本の桜が見ものですが、五大桜の方は樹齢数百年から千年を超えるような巨木、老木が国の天然記念物に指定されているもので、こちらはこちらで立派ではありますが、名所としての趣きが全く異なります。
広大な敷地内に数千本の桜が咲き乱れ、その桜の樹々の後ろに2000メートルを越える雪の連山が見えるのは、日本でもここだけではないでしょうか。
新潟の人のお花見は都会とは違う?
筆者の世代、昭和から平成初期の時代はお花見といえば桜の樹々の下で宴会をするのが当たり前でした。いわゆる「花より団子」というもので、みんなで集まって敷物を敷いて、持ち寄った料理やお酒を楽しむのがお花見というものでした。
最近ではコロナもあっていろいろと規制が厳しくなっているようで、お花見の楽しみ方も変わってきているようですが、こちら新潟県では、あまりそういう宴会スタイルでのお花見というのを見かけません。
地元の人たちに聞くと、お花見というのは家族や友人たちとゆっくりと散歩をしながら花を楽しむのが主流だそうで、お花見イコール宴会ではないようです。
公園内にはこのように「さくらロード」というのが設けられていて、一方通行でぐるりと周遊できるようになっています。
主役は子供たちと家族連れ
もちろんこうして敷物を敷いてのんびりくつろいでいらっしゃる方も見かけますが、酒盛り、宴会という雰囲気ではありません。
どちらかというと長い冬が終わり、春を待ちかねていた子供たちがこうして遠足に来たり、あるいは家族でピクニックに来たりという楽しみ方のようです。
地元紙「上越タイムス」には第一面に、高田城址公園にお化け屋敷が5年ぶりに出店したと出ています。お花見とお化け屋敷がどうつながるのかは理解に苦しむところですが、お花見の主役が春を待ちわびた子供たちや家族連れだと考えると、お化け屋敷はアトラクションとしては大事なのだと理解できますね。
また、インバウンドの観光客をほとんど見かけることがないのも高田城址公園の観桜会の特徴でしょう。それだけ、知る人ぞ知る感がありますね。
上越市主催の高田城址公園「観桜会」は4月14日まで。
ちょうど今度の週末辺りが見頃になると思われます。
「日本に生まれてきてよかったなあ。」
筆者は毎年この季節に桜を見るとそう感じます。
皆様方もぜひ、新潟県上越市の高田城址公園にいらっしゃいませんか?
上越市へは北陸新幹線です。上越新幹線ではありませんのでご注意ください。
北陸新幹線の上越妙高駅から、えちごトキめき鉄道で2駅、高田駅下車徒歩約20分です。
ライトアップは21時まで。
シャトルバスも運転されています。
東京や大阪の桜は散り始めていると思いますが、これから桜前線は北上していきます。
広い日本で、地域それぞれの春をお楽しみください。
※本文中に使用した写真はすべて筆者撮影のものです。