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第27回 全国高等学校女子硬式野球選手権大会5・6日目 横浜隼人、神戸弘陵らが勝利ベスト8出揃う

中川路里香フリーランスライター
横浜隼人のベンチには部員一人ひとりが願いを込めて描いた手作り絵馬が飾れれている

 前日までの予選トーナメントが終わり、大会5日目からは決勝トーナメントがスタート。予選トーナメントでベスト16まで勝ち上がってきたチームが、高校日本一を賭けて激突する大会5日目、6日目は、つかさグループいちじま球場(兵庫県丹波市)にて計8試合が行われ、ベスト8が出揃った。

 昨年の覇者、横浜隼人は5日目の第一試合に登場、ベスト8一番乗りを決めた他、昨年準優勝校の開志学園、三冠を目指す神戸弘陵もベスト8入りを決めたが、選抜大会準優勝校の花巻東は、クラーク国際仙台に9対2(5回コールド)で負け、姿を消した。

横浜隼人 112 001 4  9

弘前聖愛 000 000 1  1

【バッテリー】

横浜隼人 山内、近藤、磯 – 野口

弘前聖愛 原田、山内、最上、小笠原-乳井

 横浜隼人は1回、1番・加藤絢子さん(3年)が初球、左線を破る三塁打を放つと、3番・永山愛瑛さん(3年)のスクイズであっさり先制、2回もスクイズで2点目を挙げる。序盤の手堅い攻撃とは裏腹に、終わってみれば、毎回先頭打者が安打で出塁する打撃力を見せつけ4,5回を除き毎回得点の9得点と圧巻の強さを見せつけた。先発の山内瑠々さん(3年)は5回3分の2を投げて無四死球、被安打1と好投し、相手打線を寄せ付けなった。

初回で勝負を決めた一打を放った1番・加藤絢子さん

 1番・加藤さんが、初打席の初球を振り抜いて三塁打を放ち、チームに勢いをつけた。ストライクボールを見逃すと凡退してしまうことが多いため、モットーとしている「『来た!』と思うボールには迷わず振り抜く」ことを実践し快音を響かせた。「自分が結果を出せなくても他のみんなが打ってくれる」という信頼感も思い切りバットを振れる要因だ。武器は打力と足の速さ。この試合も盗塁を決めている。「1番打者だからこそチームに勢いつけるプレーがしたい」という加藤さん。次戦も打って走ってと、躍動する姿が見られそうだ。

横浜隼人・加藤絢子さん
横浜隼人・加藤絢子さん

期待に応える投球を披露、山内瑠々さん

 初戦の京都両洋戦では中継ぎ登板、この試合では先発を任された。言い渡されたのは試合当日の朝。心の準備が追いつくのか心配になるが、今年は投手陣全員で勝つスタイル。誰もが常に先発するつもりで準備しているので心配はいらないという。前回の京都両洋戦では1回3分の2を投げて2失点した反省を生かし、ストライク先行で早いカウントから打たせてとる理想的な内容で5回3分の2を投げて打者17人に対し、被安打1、与四死球0、球数47球での無失点と見違えた。各打者の特徴をしっかり頭に入れて臨んだ結果だった。

 田村監督は山内さんの先発起用理由を「相手は打撃が良いチームでランナーをためたくなかったため、コントロールの良い山内に託した」と話し、その期待に見事応えた。

昨年準優勝校、開志学園は終盤に強さを発揮

京都外大西は履正社戦での勢いをそのままに

 開志学園は途中、神村学園に3点リードを追いつかれるも、最終回に6番・岩見谷梨月さん、(3年)7番・中谷日菜香さん(3年)の連続適時打などで3得点と突き放し、準々決勝へ駒を進めた。

開志学園・中谷さん(右)、岩見谷さん
開志学園・中谷さん(右)、岩見谷さん

岩見屋さんのコメント

「相手の外野の守備位置が深かったので、低い打球を打とうと互いに声を掛け合っていました。(7回の右中間を抜く適時打では)3ボール1ストライクだったので、次は甘い球が来ると読んで、思い切りバットを振りました。間を抜けて良かったです」

主将・中谷さんのコメント

「みんなが応援してくれたので、チームの上昇気流に乗れてタイムリーを打てました。次戦の相手、神戸弘陵は打撃も投手力も高いチームですが、雰囲気にのまれず自分たちの野球をしたいです」

 京都外大西は、序盤に5点のリードを奪うと終始主導権を握り、快勝。一昨日の履正社戦で108球を投じて完投した藤野樺音さん(3年)がこの日も先発、9安打されながらも粘り、103球を一人で投げ抜きチームに勝利を導いた。

京都外大西・森田星希監督(中)、田中知里さん(左)、藤野樺音さん
京都外大西・森田星希監督(中)、田中知里さん(左)、藤野樺音さん

主将で捕手の田中さんのコメント

「藤野は、若干甘い球もありましたが、押さえて欲しい場面ではしっかり決めてくれエースの意地を感じて頼もしかったです。次戦の岐阜第一は昨夏に負けた相手なので、次は絶対に勝ちたいです」

藤野さんのコメント

「履正社戦では前日まで食事がのどを通らないほど緊張した分、今日は怖いものなしで投げられました。これまでサインに首を振ったことは一度もありません。今日も田中を信じて投げた結果です。次の登板にも、完投するつもりで頑張りたいです」

その他の試合結果

東海大翔栄2-3 駒大苫小牧、日本ウエルネス0-5 神戸弘陵、花巻東 2-9 クラーク国際仙台(5回コールド)、秀明八千代 0-2 福井工大福井、島根県立中央 2-3岐阜第一

(撮影は全て筆者)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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