N.Y. セントラルパークで紅葉が見頃 温暖化と時期の関係
木の葉が色づく、美しい季節となりました。アメリカでも紅葉シーズンが到来しています。
アメリカンフォレスツが公表している紅葉マップによれば、すでにボストンやシアトルといった北部の紅葉はピークを過ぎ、紅葉前線が順調に南下しているようです。
ニューヨーク中心部のセントラルパークも見頃を迎えています。同公園は、園内の紅葉の進行状況が一目でわかる地図を公開していますが、園内7か所の絶景ポイントでピークとなっているようです。
例年の見頃の時期も10月下旬から11月初旬なので、今年の紅葉時期も平年並みといえそうです。
紅葉のメカニズム
ところで、木の葉はなぜ色づくのでしょうか。
それは、秋になって日照時間が減って気温が下がると、光合成を行う緑の色素「クロロフィル」が分解されて、減っていきます。すると、葉の中の「カロチノイド」という黄色の色素が目立ってきて、葉が黄金色に輝くというわけです。
また、クロロフィルが分解されてできた糖分が太陽にあたると「アントシアニン」という赤い色素が作られます。これが燃えるような赤色を作り出すのです。
鮮やかな紅葉を作る気象条件
では、どのような天候が鮮やかな紅葉を作るのでしょうか。それには、大きく3つの気象条件が関係しているようです。
まず、良く晴れること。そうすることでアントシアニンがよく生成されます。
そして朝よく冷え込むこと。寒くなることで、アントシアニンが消費されにくくなり、葉に色素が残りやすくなるのだそうです。一般に、朝の気温が8度以下になると、紅葉が進むといわれています。
さらに葉が枯れてしまわないように、適度な雨が降ることも重要な気象条件です。
温暖化と紅葉
温暖化が進むと紅葉が遅れるのではと囁かれていますが、本当にそうなのでしょうか。
そうではないと反論する科学者がいます。
米国ワシントン大学セントルイスのスーザン・レナー氏はこう言っています。気温が上がって春・夏に光合成が盛んに行われると、CO2もたくさん吸収されて、木の葉の老化が速まり、紅葉も早まるかもしれないと。
さらに別の研究では、大気汚染が改善し空気が澄むことも、春・夏の光合成を活発にさせ、老化を加速させる要因となると発表されています。
紅葉は奥が深いなと感心するとともに、そんな話を聞いて、若い頃にムチャをしすぎて、体にガタが来てしまったと嘆く人生の先輩たちを思い浮かべてしまうのです。