シリア北東部の油田地帯でロシア軍ヘリコプターが米軍ヘリコプターをにらみ合いの末に放逐(映像あり)
シリア北東部で米軍ヘリコプターとロシア軍ヘリコプターがにらみ合う事件が発生した。
クルド民族主義勢力の民主統一党(PYD)に近いハーワール・ニュース(ANHA)が伝えたところによると、ハサカ県で9月16日、ロシア軍の装甲車4輌からなる部隊が、Mi-35ヘリコプターとMi-8ヘリコプターの2機の護衛を伴い、トルコとの国境に面するカフターニーヤ市(クルド語名はディルベ・スピーイェ)近郊のアールヤーン村一帯でパトロールを実施した。
これに対して、カフターニーヤ市を取り囲むようなかたちで、ハイムー村、マーリキーヤ市(クルド語名はダイリーク)、ルマイラーン町に違法に基地を設置している米軍部隊が出動し、カフターニーヤ市近郊を通るM4高速道路上に展開し、ロシア軍の進攻を阻止しようとした。
英国を拠点とする反体制系NGOのシリア人権監視団によると、米軍部隊もAH-64アパッチ戦闘ヘリコプター2機の護衛を受けており、ロシア軍ヘリコプター2機とともに低空で旋回し、威嚇し合うという異常な事態となった。
事件から2日が経った9月18日、ロシアのニュースサイトのルスヴェスナは、この状況を撮影した映像2点と写真3点を公開した。
同サイトは、このように伝えた。
一方、シリア政府寄りのニュースサイトのシャームタイムズは、目撃者の話として、米軍ヘリコプターがロシア軍の嫌がらせを受けて退散したと伝えた。
米軍は、多くの油田を擁するハサカ県北東部のほか、ダイル・ザウル県の油田地帯など合わせて15カ所あまりに基地を設置し、違法に駐留を続けている。