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認知症予防に効果がある音楽・芸術活動のやり方は?【介護福祉士が漫画でわかりやすく紹介】

こんにちは。認知症のケアサポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。

介護の仕事をしながら、子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、認知症や介護のことを一人でも多くの人に知っていただきたいと思い、Yahoo!ニュースへの寄稿を続けています。

長かった猛暑もようやく一段落し、音楽や芸術を楽しむ秋が来ましたね。

実は音楽や芸術などの創作活動には、認知機能を改善する効果があることが、いくつもの研究から明らかになっています。

今日は音楽の秋、芸術の秋にふさわしく、認知症予防にも役立つ効果的な余暇活動のやり方について、いつものようにイラストを交えながらご紹介したいと思います。

1.音楽活動

MCI(軽度認知障害)の人を

1.座学グループ

2.音楽活動グループ(楽器演奏)

3.ダンスグループ

のグループに分け、40週間の活動を行った研究があります。

その結果、座学グループに比べて、音楽活動とダンスのグループは、全般的な認知機能が改善したことがわかったそうです。

しかしながら、音楽を聴くだけの受動的音楽活動では、十分な効果はわかっていません。

演奏したり歌ったり、音楽に合わせて体を動かすなどの、能動的音楽活動に認知症予防効果があるようです。

2.芸術活動

言語記憶の改善効果について、以下のグループを比較した研究があります。

1.芸術活動グループ(絵画、書道、物作り)

2.音楽に関連した思い出を共有するグループ

3.何もしないグループ

その結果、芸術活動グループは他のグループに比べて、言語記憶の機能が改善したことがわかりました。

もう一つの研究では、以下のグループに分けて、認知機能改善効果を調べました、

1.芸術活動グループ

2.認知トレーニンググループ

その結果、芸術活動グループは、認知機能や記憶、実行機能、注意機能が改善したことがわかりました。

これら2つの研究は、どちらも作品の製作だけでなく、鑑賞会を行い感想などを話し合うことまで含んでいます。

わたしが以前働いていたデイサービスでは、ぬいぐるみ作りを積極的に行っていました。

手先を動かす活動は、脳への良い刺激になるといわれています。

しかし、それだけではありません。

出来上がった作品を仲間と見せあったり、家族にほめられたりすることで、高齢者が生き生きとした表情を取り戻す様子を、わたしはデイサービスの現場でいつも見ていました。

歳をとってからも続けられる創作活動と、楽しみを分かち合える仲間がいるといいですね。

わたしも久しぶりに子どもたちのリクエストに応えて、ぬいぐるみ作ってみようと思います。

参考文献:あたまとからだを元気にするMCIハンドブック 国立長寿医療研究センター

介護福祉士としてデイサービスや訪問介護の現場で働いてきました。職場の上司の指導で、研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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