進路指導担当者が知ると得する話・1~朝日新聞「明日へのLesson・クエスチョン」が優れている理由
◆読解力重視と言うけれど
共通テストは明らかに読解力重視に変わった。この傾向は一般入試でも、総合型選抜・学校推薦型選抜でも、中堅以上の大学であれば、変わるところがない。
で、この対策として、よく出るのが「新聞を読もう」である。
ところが、高校・進路指導担当教員であればご存じの通り、それでうまく行くケースは多くない。
この理由は、別の回で出すが、根本的に新聞の読み方を高校生が誤解していること、その誤解を高校教員や新聞社なども解こうとしていない点にある。
私が高校の進路講演などでよく話すのが、「全部読むのではなく、面をチェックせよ」である。
◆全国紙で唯一の入試解説コラム
今回、ご紹介するのは朝日新聞「明日へのLesson・クエスチョン」である。
「明日へのLesson」は朝日新聞の毎週木曜に掲載されている教育面だ。週替わりで内容が代わり、第三木曜は「クエスチョン」、すなわち、入試問題の解説コラムとなっている。
全国紙・地方紙とも、大半が教育面を設けており、入試時期になると、共通テストなどの解説記事を掲載する新聞も全国紙を中心に多い。
が、大学入試問題を題材に解説するコラム(かつ、定期掲載)は、この「明日へのLesson・クエスチョン」が唯一の存在だ。
あえて言えば、日本経済新聞の毎週火曜掲載「受験考」くらいか。ただ、こちらは約800字、かつ、題材は中学受験から大学受験までバラバラ。塾講師の独白という形を取っている。
「明日へのLesson・クエスチョン」は毎回2500字相当、題材は国立大や難関私立大、共通テストの問題である。解説するのは、その問題の科目に関連する予備校講師や専門家で、毎回、変わる。
掲載は2019年4月10日から。2回目の2019年5月29日掲載分は「著者が解く」シリーズとして、村上陽一郎に九州大で出題された問題を解説させた。
この「著者が解く」シリーズは2020年から、「特別編・著者が解く」シリーズに改編され、掲載時期も第三週ではなく、不定期掲載となった。2020年の1回目は山極寿一・前京都大総長、その後も内田樹(哲学者)、小川洋子(作家)など、錚々たるメンバーを出している。
◆なぜ出題するのか、その意図も解説
このコラムが単に入試問題を解説しているだけなら、予備校サイトの入試解説欄などと変わるところがない。
このコラムの秀逸な点は、なぜその問題を出題するのか、背景はどうなっているのか、などを分かりやすく丁寧に解説している点だ。
たとえば、2022年11月17日掲載の青山学院大学経済学部の数学問題については、数学講師の大澤裕一が解説。
医学部などで出題される難問を批判しつつ、この青山学院大学経済学部の問題をこう評価する。
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項目は
◆なぜ出題するのか、その意図も解説(続き)
◆2019年・バックナンバー
◆2020年のバックナンバー
◆2021年のバックナンバー
◆2022年のバックナンバー
◆科目は罠、関連分野・学部からの検討を
合計約3300字
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