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精神病院、薬漬けの恐怖。(精神科医の仕事とは?)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「精神病院、薬漬けの恐怖」というテーマでお話したいと思います。

私(竹内成彦)は、精神医学に詳しいカウンセラーです。私は、心の病の薬に詳しいカウンセラーです。私は、日々、カウンセリングをしていて、目の前のクライアントの話を聴けば、「この人は、どのような薬を、どのくらいの量、どのくらいの期間飲めば、どのくらい良くなるのか? それとも良くならないのか?」概ね判断がつきます。

※ 私(竹内成彦)は、精神医学や薬の知識は、カウンセリングスクールではなく、大学で習い、身につけました。さらに、精神科医が書いた本を読むなどして、自分でも勉強しました。

私は、薬が効きそうなクライアントには、言葉を選んで病院に行くことを勧めます。もちろんタイミングは見計らいますし、慎重に言葉を選んで病院に行くことを勧めますが…。私は、薬が必要なクライアントに対し、病院に行くことを勧めないのは、心理臨床家として愚かで不誠実だと思っています。

そんな中、「薬は絶対に飲みたくない!」とおっしゃる人に会うことがあります。そんな、病院に行くことを頑なに拒否する人に、その理由を尋ねると、「薬は所詮、対症療法に過ぎないから、根本解決には結びつかないから…」とおっしゃったり、「病院に行くと、薬漬けにされ、廃人になってしまうから…」とおっしゃったりすることが多いです。

今日は、そんなクライアントに対し、大切なお薬の話をしたいと思います。

まず、1番目の「薬は、対症療法に過ぎないから…」というご意見ですが、
ひとくちに心の病と言っても、心の病にもいろいろあります。例えば神経症=ノイローゼの場合は、薬は対症療法に過ぎない…という面は確かにありますが、うつ病や双極性障害や統合失調症などの精神病の場合は、対症療法とは言えない部分が多々あります。
というのは、
神経症の場合は、環境調整および認知を変えることが根本解決であり、お薬の服用が根本解決にはならないという面が確かにございますが、
精神病の場合は、脳の神経化学伝達物質の量に異変が生じて、症状が発生しているわけですから、お薬を飲んで脳の調子を整えることが根本解決になる場合が大いにあるということです。

ですから、「お薬を飲むことは、所詮、対症療法にしか過ぎない」というのは、正解とは言えません。「誤りである場合がある」ということが言えます。

続いて、「病院に行くと、薬漬けになる」というご意見ですが、そうなることもありますが、そうならないことのほうが圧倒的に多いです。特に、最近の精神科医は、お薬を出すことに大変に慎重になっており、よって10年20年前と違って、薬漬けになる恐れは非常に少ない…ということが言えます。

ただ、ここからが、本日の本題になるのですが、
世の中には、薬が比較的よく効く心の病と、薬があまり効かない心の病があって、
薬があまり効かない心の病を抱えている人は、医師に向かって、「薬が効かない、全然良くならない」ということは、なるべく訴えないほうがいいです。何故なら、そんなことをすると、医師は薬をどんどん増やそうとしかねないからです。

ちなみに、精神科医は、何をする人なのか? でもお話しましたが、精神科医の仕事は、患者の心に寄り添うことではありません。精神科医の仕事は、患者に薬を出すことです。

話は戻って、
薬があまり効かない心の病を抱えている人は、薬を少し飲もうがたくさん飲もうが、やっぱり良くはなりません。そういう場合、薬を効かない患者さんは、医師に向かって、「薬が効かない、全然良くならない」ということを訴えることが多くなるのですが、「その結果、どうなるか?」と言いますと、さらに薬をたくさん出され、そしてたくさん飲むようになり、やがては、「調子が悪いのは、病気のせいなのか? 薬の副作用によるものなのか?」 わからなくなってしまいます。

よって大切なことは、薬を飲んで良くならない場合に、「どうしたらいいか?」考えることです。「医師に、薬が効かないことを繰り返し訴え、薬を増やされるのがいいのか? 薬以外の方法で治すことを考えるのがいいのか? どっちなんだ!」 ということです。

精神病院に行って、薬漬けになってしまう人の多くは、薬があまり効かない心の病を抱えているにも関わらず、薬だけで治そうとしている人であることが多い…ということは言えるでしょう。
逆に、薬が比較的よく効く心の病を抱えている人は、少量の薬でもよく効くので、薬がどんどん増えていってしまうことはなく、よって薬漬けになる恐れはありません。

ちなみに、割合で言えば、薬がよく効く心の病の人は、少ないです。薬があまり効かない心の病の人のほうが多いです。にも関わらず、今日も、お薬を出すだけの精神病院は患者さんでいっぱいです。

もう1度言います。
心の病になって、薬を飲んで効かなかった場合は、医師にそのことを繰り返し訴えないほうがいいです。何故なら、そのような行為をすると薬漬けになってしまう恐れがあるからです。
大切なのは、薬を飲んで効かなかった場合は、薬以外の方法で治す方法を考えることです。そうすれば、精神病院に行って薬漬けになることは、基本ありません。

詳しくは精神医学に詳しいカウンセラーの許をお訪ねください。
最後に、「薬は、忌み嫌うものではなく、依存するものでもなく、便利に利用するもの」という言葉で締めたいと思います。

というわけで、
今日は、「精神病院、薬漬けの恐怖」というテーマでお話しさせて頂きました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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