珍しい芋蜜をたっぷり使用した卵不使用の「芋蜜のムースプリン」特産品のきんこ芋のねっとり感にハマります
さむーい冬に恋しくなる食べ物トップ10があるとするならば、ほぼランクイン間違いなしであろうもののひとつ、焼き芋。自宅は勿論、昔ながらの移動販売や高級ブランド芋を使用した専門店など、気温の下降と共にさつまいも熱はヒートアップしているように思います。
三重県志摩市。アワビをはじめとする海産物を取る海女さんが活躍するこの地で愛されている干し芋がきんこ芋。金ん子(きんこ)とは干しなまこを意味する方言で、平切りでも角切りでもない、隼人芋という品種のさつまいもを使用した干し芋のこと。濃い橙色と干しなまことのような滴型の形が特徴的です。
そのきんこ芋を家族一丸となって長年にわたり作っていらっしゃるのが、三重県志摩市の「上田商店」さん。特に、パティシエでもあるご息女の橘さんは持ち前の感性と腕を活かし、隼人芋、そしてきんこ芋を使用したスイーツを生み出し、新しい形で沢山の人たちに味わってもらえるよう取り組みをなさっています。
今回は上田商店さんの和の要素が織り込まれた「芋蜜のムースプリン」をご紹介。
ほっこりとしたきんこ芋のイメージとはまた一味異なる、洗練された佇まいの瓶入りのプリン。ラベルやゴム紐の装飾もお洒落ですね。
蓋を開けると、3切れの小柄なきんこ芋が芋蜜をしようしたカラメルソースを纏い登場。芋蜜というのは、きんこ芋を丁寧にじっくり煮詰めた作った蜜。メープルシロップのようにホットケーキやアイスクリームにかけて召し上がると美味しいのだとか。まずは上のカラメルソースの部分を少し。仄かに酸味がきいたソースはほろ苦なのですが、驚いたのが焼き芋のような風味がふわふわと漂うのです!
なるほど、これが芋蜜の魅力なのですね…!次はムースと共に、そして最後はムースだけと順番に。卵を使用していないムースは、生クリームのコクに素朴な芋の香ばしさと温もりを感じられるようなほっとする甘味、風味が加わり、すっきりしているのに満足度の高いまろやかな余韻。カラメルが染みたきんこ芋も、小粒ながらねっとりとした食感がアクセントに。
そして驚いたのが、底の方にお芋が一切れかくれんぼしていたのです!嬉しいサプライズ!(お伝えしてよかったのでしょうか…)
季節によって、隼人芋がべにはるかに変わるそうです。風土の気候に寄り添った製法だからこそ、どちらでも美味しい仕上がりになるのですねきっと。
いわゆるお芋スイーツは世の中に数あれど、隼人芋、そしてきんこ芋という新しい魅力を発見でる和スイーツも、たまにはいかがでしょうか。
<上田商店>
公式サイト(外部リンク)
三重県志摩市阿児町安乗794-1
0599-77-3267
平日 10時~16時
休日 9時30分~16時
年中無休