ポップなカップ「K-パスタ」の味は?韓国カップパスタ「テングル」2種食べ比べ
韓国三養食品のパスタブランド「テングル」
今回レビューするのは、「ブルダック炒め麺」でおなじみ韓国の三養食品によるパスタブランドテングル」の「キムチロゼパスタ」と「プルコギクリームパスタ」の2品。ともにパスタながら韓国味全開の商品となっています。
「テングル」ブランドでは、韓国料理からインスパイアされた味のパスタを「K‐パスタ」と定義し、韓国のインスタント麺らしいもちもちした食感のパスタと韓国味を組み合わせています。
韓国味といえば辛いものを思い浮かべますが、特に「ブルダック炒め麺」を食べていると、辛いだけではなく甘いことも大きな特徴となっており、あまり食事で甘いものを食べない日本とは、お隣の国ながら食文化が大きく異なることに驚かされます。
今回の2品は日本のパスタとどれほど違うのでしょうか。
商品名の「テングル」は、韓国語で「もちもち」、英語で「絡まる」という意味とのことで、麺の食感や形状を示しています。
レンジ調理と湯戻し調理どちらも可能となっており、今回は2品とも湯戻し調理を選択しています。
「テングル キムチロゼパスタ ビッグカップ」
まずは「テングル キムチロゼパスタ ビッグカップ」。
韓国の商品ではよく「ロゼ」と名付けられているものを見かけますが、「ロゼ」はピンク色の意味で、トマトや唐辛子にクリームを組み合わせたピンク色ソースを用いることが多いようです。
「ロゼ」のイメージよりはだいぶ赤いソースに、エアードライ製法による幅広のパスタと、具としてキムチ、トマト、玉ねぎ、チンゲン菜が合わせられています。
ソースの味は主にトマトケチャップとキムチで、クリーム系が弱いためか、ピンクよりも赤い印象です。赤いのでいかにも辛そうですが、食べてみるとピリ辛程度でそれほど辛くなく、辛味や甘みよりもトマトとキムチの酸味や発酵風味が目立っていました。
韓国食品でキムチの唐辛子が入っていながらあまり辛くないのは珍しく、また、「ロゼ」なのにあまり甘くないのも珍しいです。ある程度日本向けの味のように感じました。
麺は、幅広のフェットチーネスタイルのノンフライ麺。筆者は韓国のカップ麺では油揚げ麺が使われているものしか見たことがなかったので、ノンフライはとても珍しい存在だと思われます。
一般的なフェットチーネよりももちもちしていて、ずっしり重たい食感だ。韓国のインスタント麺は基本、太くてもちもちしていたりずっしりしていたりで、主張の強いものが多いです。ちょっと「ほうとう」っぽいかもしれません。これが台湾だと麺線とか細めのものが多い印象なんですけどね。
具として入っているのは、キムチ、トマト、玉ねぎ、チンゲン菜。すべてカットが細かめで、キムチくらいはもっと大きいものが欲しかったですが、細かくすることでポップな雰囲気を演出したのかもしれませんね。
「テングル プルコギクリームパスタ ビッグカップ」
続いては、「テングル プルコギクリームパスタ ビッグカップ」。
「プルコギ」は韓国の牛肉料理で、今回はクリームと合わせてパスタの味として活用しています。プルコギは焼肉店のメニューにあったり、スーパーに行けばプルコギの素的なものも売っていますよね。もはや日本でもおなじみになった韓国料理のひとつです。
プルコギ味のクリームソースに、幅広のノンフライパスタと、大豆ビーフ、チンゲン菜、ニンジンが組み合わせられています。フェットチーネスタイルの麺は「キムチロゼパスタ」と同じものだと思われます。
ソースは牛風味の醤油味に粉末でクリーム感を加えた「プルコギクリーム」。牛の風味はあるのでプルコギらしくないわけではありませんが、韓国食品らしく甘みが強調されており、激甘レベル。
料理のプルコギも甘い味付けが特徴的な場合がままありますが、そのレベルをゆうに超える甘さです。ロゼはそんな甘くなかったですがクリームは激甘でした。
具は、大豆ビーフ、ニンジン、チンゲン菜。プルコギを模した大豆ビーフは食感や味があまり牛肉らしくありません。味付けもプルコギ味ではありませんでした。量はありますが、プルコギらしさは少し物足りなかったです。
日本向け?の「キムチロゼ」、激甘の「プルコギクリーム」
韓国三養食品のパスタブランド「テングル」の2商品を食べましたが、両者に共通するノンフライの幅広麺はパスタとしてはずっしり重たい食感が特徴で、日本の「ほうとう」を思わせるものがありました。
味は、「キムチロゼ」がトマトキムチの酸味や発酵風味が強調されていて辛味や甘さが控えめだったのに対し、「プルコギクリーム」は牛風味よりもとにかく激甘なことが特徴的でした。どちらも辛さはそそれほど強くありません。
両者を食べ比べると、「キムチロゼ」の方が日本でも比較的受け入れられやすい味だと感じました。スーパー等でも店頭に並ぶのは「キムチロゼ」のみで「プルコギクリーム」は取り扱っていない場合も見受けられます。
パスタという日本でも普通に食べられている料理でありながら、お隣の国の味は味覚が似ているようで似ていないようで、日本と韓国が「近くて近い国」であり「近くて遠い国」でもあることを実感できる商品でした。