「梅雨入り直後の晴天」のち「梅雨前線と台風による大雨」
梅雨入り直後の晴天
気象庁では、梅雨のない北海道を除いた日本を12の地域(沖縄、奄美、九州南部、九州北部、四国、中国、近畿、北陸、東海、関東甲信、東北南部、東北北部)に分け、気象予測をもとに「○○日頃梅雨入り(明け)したと見られます」という速報を発表しています。
今週は、関東甲信地方以西で梅雨入りとなり、12の地域のうち9地域が梅雨入りとなり、梅雨入りしていないのは、北陸、東北南部、東北北部の3地域だけとなりました。
梅雨入りは、その日から雨が続く雨季入りとは違い、次の雨までの間隔が短くなるだけで、翌日が晴れるということはよくあります。
今年も、関東甲信地方等が梅雨入りした直後に、移動性高気圧の通過に伴って梅雨前線が南下したことで、晴天のところが多くなっていますが、この晴天は長続きしません。
南下していた梅雨前線は、寒気の南下と台風に伴う暖気の北上で、活発化してきます(図1)。
台風4号と台風5号
南シナ海とフィリピンの東海上では対流活動が活発な状態が続いていました。その中で、6月6日9時に南シナ海で台風4号が発生しました(タイトル画像 )。
台風名(アジア名)は、ミクロネシアが命名した「イーウィニャ(Ewiniar)」です。トラック諸島のチューク島に伝わる嵐の神様の名前です。
この台風4号は、中国大陸に上陸し、熱帯低気圧に変わる予想(図1の熱低)ですが、温帯低気圧に変わって日本までやってきて大雨をもたらす可能性があります。
この台風4号以上に危険なのが、フィリピンの東海上の積乱雲の中から6月8日3時に発生した台風5号(図1の台風)です。
台風5号は、フィリピンが命名した「マリクシ(Maliksi)」という名前がつきました。「快速」を表すフィリピン語で「活発な」という意味合いもある言葉です。
このように、台風には、東アジア各国が交互に名前をつけています。
関東から東海で大雨の可能性だが
気象庁が発表している警報級の可能性では、東海から関東地方で、10日(日)から11日(月)にかけて大雨警報の可能性が「中」となっています(図2)。
警報級の可能性には、「高」と「中」があり、気象庁のホームページでは、次のように説明しています。
警報級の可能性
[高]: 警報を発表中、又は、警報を発表するような現象発生の可能性が高い状況です。明日までの警報級の可能性が[高]とされているときは、危険度が高まる詳細な時間帯を本ページ上段の気象警報・注意報で確認してください。
[中]: [高]ほど可能性は高くありませんが、命に危険を及ぼすような警報級の現象となりうることを表しています。明日までの警報級の可能性が[中]とされているときは、深夜などの警報発表も想定して心構えを高めてください。
発生まもない台風5号に関することで、今後の見通しには不確実な要素が多くありますが、台風が日本の南海上にあって、梅雨前線を刺激し、10日(日)から11日(月)にかけては、日本列島のどこかで大雨の可能性があります。
気象情報、台風情報に注意し、十分な警戒が必要です。
タイトル画像、図1、図2の出典:気象庁ホームページ。