レバンガ北海道がB1に生き残るためのカギは、ロングが得点源となってチームを牽引し続けること
2月12日の宇都宮ブレックス戦、試合開始から21秒でショーン・ロングはポストアップでファウルをもらいながら得点する3Pプレーを決める。これをきっかけに7連続得点で主導権を握ったレバンガ北海道は、ロングの29点、16リバウンドという大活躍によって、77対64のスコアで宇都宮から貴重な1勝を手にした。
「我々が必要としているのは勝利だけだ。バイウィークの前に勝てたことでみんながハッピーになれる。いつも言っていることだけど、前に進むために新たな一歩を踏み出すことができればいいけど、自分たちができることは1日1日を大切にすること。我々はいいチームなんだ。自分たちを誇りに思うべきであり、とにかく前進し続けるしかない」
2月7日に佐古賢一コーチの退団が発表され、チーム内に混乱が残っている状況で迎えた11日の宇都宮戦、北海道は後半だけで61失点を献上するなど28点差の大敗。小野寺龍太郎ヘッドコーチ代行はこの状況からチームをどう立て直すのか? 導き出した答えは、昨季のB1得点王だったロングに起点に戦うことだった。小野寺コーチはこう説明する。
「彼に求めるものをよりシンプルに、あまり複雑に多岐に渡るのではなく、シンプルに“これを求めている”という話をしました。彼はとにかくボールを触ってこそ生きる選手なので、そこをチームとして見ていこうとしました。彼に言ったのは、“ミスしてもいいかもとにかく点数取りに行け!”と…」
フィジカルの強さを生かしたポストアップ、スクリーンからショートポップしてのジャンプショットなど、ロングは得点パターンが豊富なビッグマン。そんな彼にボールを預け、オフェンスの起点となることで機能すれば、北海道は宇都宮のようなディフェンス力のあるチーム相手でも勝てることを示したと言える。
「コーチがいなくなってどうなることかと思ったけど、試合前に新ヘッドコーチが来て“やることは得点することだ”と言われ、シーズン前半とは大きく変わった。ボールを持てるようになったことでゲームをコントロールし、チームメイトのために力を発揮できるようになったのはいいことだと思う」と語ったロングは、宇都宮を4Q残り5分で49失点に限定していたディフェンスが今季最高レベルのパフォーマンスだったことを認める。
「試合の大半で我々はすごく集中していたし、常に努力をしている。賢くプレーすることと、相手を理解することが今日はうまくいった。試合全体を通して、安定したペースを保つことができたと思うし、ちょっと不安定な状況になったときでも、うまく立ち直って対処できていた」
流れが悪くなりそうなビッグプレーを宇都宮に決められたり、ミスが起きたとしても、この試合での北海道はブレックスアリーナ宇都宮独特の雰囲気になりかけてもパニックにならず、ランに対する答えを出し続けてリードを維持。3Qの1回目がロング、4Qの2回目がモータムと、北海道がタイムアウト後のオフェンスで着実に得点できたのは、「崩れる時間を短くしていけるようフォーカスして臨みました」という小野寺コーチの言葉を象徴するものだった。
B1残留に向けての戦いを続ける中。チームがレベルアップするカギについて質問すると、ロングは「大半がメンタル的なものだ。シーズンはかなり進んでいるから、何よりもメンタル的なものだと思う。残りのシーズンも各試合で同じメンタリティを保ち、健康でいることが何より大切だ」と返答した。シーズン前半はベンチスタートの試合が多く、持ち味を発揮できない時期もあったが、宇都宮戦の勝利はロングにとっても、チームにとっても大きな意味があったと言えよう。